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2007年 「中国についての予測」

2007年の中国における最初の数日間には、世界から特に注目されるような出来事がなさそうだが、2007年の中国がどのようになるのかに対するさまざまな予測は次々となされた。AP通信などのメディアは2007年に中国共産党第十七回全国代表大会の開催を予告し、これを「世界にとって中国を観察する絶好なチャンス」としている。フランスのメディアは腐敗防止などの社会的角度から、「2007年は中国にとってかなめとなる年である」としている。また、世界のメディアが2007年に中国の発展を予測する際に、最も注目している分野は経済であり、経済に関連する話題が最も多かった。その他、ナイジェリアと中国の間の通航、中国工商銀行のインドネシアにおける銀行買収、ルーマニアにおいて新規建設されるチャイナタウンなどのニュースが次々と現れ、世界諸国の人々の「中国イメージ」をじわじわと変えつつある。2007年1月1日から、中国は外国のメディアの中国での取材に対し便宜を提供し始め、それは歓迎される措置となった。それにしても、中国に対する懸念や不満もある。例えば、ロンドンのメディアは「イギリスの70%のハイテクの雇用はすでに中国とインドにシフト」と苦情まじりに伝えている。

2007年の中国についての予測

韓国連合ニュース(通信社)は1月1日「2007年における中国の政治、経済、社会についての予測」という特集を掲載し、「2007年には、世界的強国へと向かう中国はさまざまなチャンスとチャレンジに直面している。2007年には中国にとって重要な出来事が次々と現れ、例えば、秋口には中国共産党第17回全国代表大会の開催、2008年北京五輪のための準備事業が正念場にさしかかること、香港の祖国復帰十周年の記念日(7月1日)、中国人民解放軍創建80周年記念日(8月1日)、社会主義新農村の建設、中国の「嫦娥1号」宇宙船による月面探査などがそれである。

アメリカのメディアは中国の社会の発展に注目している。AP通信の記事によると、2007年に中国共産党第17回全国代表大会が開催されるので、今年の中国にとって最も重要なことは社会の安定を維持することであり、「調和の取れた社会」を構築するために力を入れなければならない。米UPI通信社の記事によると、新年早々、中国は50余の法律を新規発布した。例えば、省レベルの裁判所は死刑の判決後で最高裁判所に報告しなければならない。新規発布された法律のうち、人権擁護の内容が数多く含まれている。

しかし、AP通信の記事によると、消費財価格指数の向上とともに、2007年に中国はインフレーションのプレッシャーを実感し、その比率は2.5%に達すると見られている。アメリカの中国語メディア「世界日報」は「2007年に、大陸部の不動産価格の低下は経済の全体にトータルな影響を及ぼすことになろう」と予測している。

フランスの「中国風」誌は「2007年:かなめとなる年」という社説を発表し、2007年は中国にとって肝じんな年であり、特に内政分野についてそういえる。中国は腐敗防止のために力を入れている。また、中国は浪費防止、環境保全、社会の安定のために新たな政策を発布しており、2007年10月に開催される中国共産党第17回代表大会は中国を観察する絶好なチャンスと見られている。

インドの「インディアトリビューン」紙は中国社会の発展を高く評価する姿勢で、次のように評している。人口と社会の管理の面では、中国はインド、および他の人口大国に比べてよりすばらしい成果を収めた。中国にとって、秩序整然とした社会は最大の資産である。「これは専制だ」と非難する人もいるかもしれないが、次の事実を見てもらいたい…十字路で、黄色の制服を着て旗を振り、笛を吹くボランティアもおり、混み合った歩行者と自転車に乗っている人たちを上手に指揮している。これは天与のものではなく、努力によってものにした成果であろう。どの大国にとっても、これは見習うべき手本であると言える。中国では伝統と現代の間のバランスがよく取れている。中国政府が自らの見解を明らかにすることを恐れないのは、中国の人々のサポートが中国にとって最大の資産だからである。」と伝えている。

世界経済から中国の影響を消し去ることはできない

2007年に中国の経済の急成長が続くのか、またはやや減速するのかということは、各メディアが議論の的となった。ほとんどのエコノミストは「2006年の中国の経済成長率は10%を上回る」と予測し、2006年末にAP通信が評定した十大経済ニュースのうち、「中国経済が急成長」というニュースは九番目にランクされ、十番目の「DJI株価の向上」とともに同ランキングにおいて数少ない注目されるニュースとなった。2004年に「中国経済は急成長」は同ランキングの五番目にランクされたが、今回再びランクされたことは、「アメリカ経済において中国経済の影響はすでに消し去ることのできないものになった」ことを裏付けるものであった。アメリカの中国語新聞「世界日報」は「経済の急成長によって、中国は世界で最も豊かな経済体を目指して前進している」と述べている。アメリカの週刊「ワシントンオブザーバー」誌は2006年の最終号で「中国経済の成長は世界経済への巨大な貢献となっている。アメリカまでがより中国に依存することになっている」という視点を明らかにした。しかし、完全に対立する観点もある。2007年1月1日にBBCの記事には、「中国の人々の所得が増えているが、サイフのヒモをかたく締めている。社会の下層の人々はもともと収入が高くないものであり、ほとんどの収入を低レベルの生活を維持するために使っている。子供の教育、医療などの費用を負担することさえ難しいので、新しい住宅、マイカー、観光などはまだ高嶺の花であろう。人々がお金を使うのがもったいないと考えていることは現実である。国民の消費レベルをトータルに引き上げるためには、経済の持続的成長を望むしかない」という観点を明らかにした。

中国経済の急成長に対し、国外の専門家は懸念を示している。ドイツのFAZ(フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング紙)は「中国は数千万の雇用のチャンスを作り出し、経済急成長のメリットを人々に配分しながら、経済の過熱を防ぐためにスローダウンしなければならない。これはまるでブレーキもないスピードオーバーの車を止めようとする試みのようなものである。

しかし、中国経済の急成長をスローダウンすることに反対する声もある。日本の「世界週報」は、「昔、アジア経済と日本経済の発展のすう勢を左右したのはアメリカ経済であった。しかし、最近、アメリカの不動産市場の下落とともに、アメリカの経済発展が減速し始めておりが、「それは日本経済にきわめて深刻なマイナス影響をもたらす」という懸念は現実とはならない。なぜなら、現在の日本経済を左右しているのはアメリカ経済ではなく、中国経済であるからだ。中国経済の過熱を防止するために経済成長率をスローダウンするとしたら、日本は巨大な損失をこうむることになろう。

中国経済の急成長は自国の雇用チャンスを奪うと懸念するものもいる。イギリスのデイリーテレグラフは、世界最大のIT会社の一つである米デジタルシステム会社のヨーロッパ支社の責任者であるトーマス氏の話しを引用し、「イギリスではIT産業の雇用チャンスの70%は中国やインドにシフトした」ことを明らかにしている。

中国と世界の相互理解はより深まることになろう

中国経済の急成長のほかに、世界各国のメディアに注目されているいまひとつの出来事は、2007年1月1日から中国は外国記者の取材に対する制限を緩めたことである。シンガポールの「聯合早報」によると、中国が外国記者の取材に対する制限を緩めるとともに、外国のメディアは相次いで大陸での取材に赴き、外国の記者の数人はすでに山東省、内蒙古自治区に行っている。統計データによると、2006年12月までの時点で、49ヵ国のメディア319社の606人の記者が中国に常駐している。そのうち、200余社の外国メディアの400余人の記者は北京に常駐しており、90余社の100余人は上海に常駐している。毎年、3000-5000人の外国記者が中国取材のために入国している。「読売新聞」上海支局の加藤隆支局長は「北京と上海はそれぞれ中国の政治と経済の中心だとしても、二都市から中国の全貌を見て取ることはできない」と語っている。米UPI通信の記者たちはこれを歓迎し、「それを通じて外国の読者にとって中国の中部・西部をよりよく知ることが可能となろう」と語った。

外国の記者はより自由に中国の内陸に進出するとともに、中国の人々もじわりじわりと世界の奥地へと足を運んでいる。「ドイチェベレ」の報道によると、自国の労働者の多数が先進的なEU加盟国に移動したことを悩んでいるルーマニアには最近、新しいチャイナタウンが現れた。1989年いらい、人口がわずか2000万人のルーマニアでは、200万人が祖国を離れた。しかし、近年、数多くの中国の労働者は人手不足で困っているルーマニアの工場に入り、首都ブカレストの周辺には小さなチャイナタウンが現れている。

「チャイナネット」 2007年1月15日

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