チベットを再訪問した『インド教徒新聞』記者ラム氏は、先日発表した文章で、今のチベットは経済高度成長期に入っており、中国は必ずチベットの全面的発展を成し遂げるに違いないと述べている。
記事の内容は主に次の通りである。昨年、中国全体の経済成長率は10.5%で、チベット地区の経済成長率は13.2%であった。GDPは290億人民元となり、これは40億ドルに相当する。チベットの食糧生産量は92万トンで、自治区総人口の需要を満たしている。昨年のチベットの都市部の一人当たり年収は8900元で、2000年の6448元よりも大幅に増えている。農民、牧畜民の平均年収は、2000年の1331元から2435元に増加した。
物が日に日に豊富になり、人口が着実に増え、生活レベルが上昇し続け、教育・技術トレーニングや社会全体が現代化されたことにより、チベットの人々、とりわけ若者の生活・仕事・意識は変わってきている。こうした変化は、ラサの街を見れば非常に明らかにわかる。ラサでは車も増え、高層ビルをあちこちで目にすることができる。
7年前にラサに行ったことがあるラム氏から見れば、ここ7年間の最大の変化は青蔵(青海‐チベット)鉄道の開通である。全長1956kmのこの高原鉄道は、青海省省都の西寧とラサを結んでいる。「どれほど新聞や雑誌でチベットに関する記事を読み、写真を見たとしても、シャンバラのあまりにも美しい景色を見たら、思わず呆然としてしまうだろう。その広大さ・超然さや不思議さを言葉で言い表すことは出来ない」とラムさんは語った。
青蔵鉄道が開通して最初の十数カ月に、チベット自治区の対外貿易額は75%増えた。ほぼ3.22億ドルである。昨年、列車に乗りチベットへ行った国内外の観光客は、延べ250万人で、おそらく今年は300万人にまで増えるだろう。
関連筋によると、青蔵鉄道の開通は「チベットの人々の発展への夢」、つまり日に日に成長している中国の他の地域に追いつけ、追い越そうという心、そして外部に開放される「権利意識」を象徴している。今後十年間に、青蔵鉄道は更に拡充され、ラサから東部のニンティへ、同じくラサから西部のシガツェへ、そしてシガツェから中国とインドの国境付近のヤートンに向かう新たな三つの支線が敷設されると言われている。
青蔵鉄道が、環境や生態系に深刻な悪影響を及ぼすと考えている人がいるが、これは明らかに大げさな言い方だ。政府はすでに15億元を投下し、一連の環境保護措置をとっており、ゴミや汚水の処理システムを充実し、チベットカモシカなど野生動物のために33の通り道をつくることも含まれている。チベットの環境にとって真に脅威となるのは青蔵鉄道ではなく、地球温暖化である。
チベットの教育分野における迅速・協調・健康的な発展はチベット自治区の成立、とりわけ1979年の改革後の大きな成果だといえる。
政府筋の発表によると、チベットの成人の中の非識字者の割合は10%以下であり、インドのそれを大きく下回る。そのほか、中央政府の優遇政策により、ほぼ1.4万人のチベット族の学生が20の省・直轄市の高校や大学へ進学している。今年1月までにチベットへ 2000人の教師や教育関係者を派遣しており、これらの省・直轄市がチベットの教育事業のために提供した基金は7400万ドルに達する。この点はインドが手本とするに値する。
さらに、記事によれば、西部地区の立ち遅れの状態を改善するために、中国は「西部大開発」戦略を実施している。チベットの工業・サービス業・インフラ施設・教育の迅速な発展・農業や牧畜業における日増しに高まる現代化により、就職の機会も十分にある。政府は全力で貧困をなくし、チベットの言語、文化、風土、民族性、宗教そしてチベット族の権利を尊重することに真剣な姿勢で取り組んでいる。
「チャイナネット」 2007年7月30日