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「アジアタイムズ」:よくある中国に対する欧米の誤解

中国の社会、経済、政治、文化の復興は、500年にもわたる世界に対する西側の統治に終止符を打つようになっている。今や、人々が直面しているのは、複雑な、活発な変化に満ちた、中国の特色のある新世界である。しかし、中国から遠く離れている西側は思い上がって尊大ぶっており、さまざまな理由から中国に対して誤解を抱いているように見られる。これは、中国の現実を知るうえで障壁となっている。そのため、中国に対する誤解を解消することは、中国を知るための最初の一歩であろう。

「日本や韓国、ベトナムなどのアジア国と同じように、中国は同質性の高い単一民族の国家である」と考える欧米人はかなり多い。実、中国は欧米の状況と同じように多民族の国であり、「極東のヨーロッパ」と言ってもよい。つまり、ヨーロッパと似ているように、中国は高い異質性、多様性をもつ大陸である。このような中国の複雑性により、区別化した分析方法、外交政策、ビジネス戦略を講じなければならない。中国は絶対単一の市場ではない。今の中国のトップ層にとって最も重要な課題は二つ。つまり、中国の各地域の発展を協調させ、バランスをとること、および世界の人口の20%を占める人々の基本的な物質条件を確保することである。この二つの課題を完成することは、世界の安定に大きく寄与することでもある。

中国は世界にむけて開放されるとともに、西側が中国を変えるという見方もあるが、実は、西側の考え方や習慣が中国の人々に影響を及ぼすと同時、中国は「西側のエレメントを吸収し、自らにとって役割が立つものにする」というプロセスを促している。つまり、それは同化の過程である。上海から重慶、大連から香港へ、科学技術の現代化は単なる欧米化ではない。中国は受動的な模倣者ではなく、生き生きした文明の母体である。中国社会で現れている変化こそ、中国文化の本質を示している。つまり、中国文化の内包は豊かなものであり、調和を重視し、「変化」と「新しさ」を求める念願が非常に強いものである。

「改革・開放」政策の実施30年らい、「中国が世界システムに溶け込む」ことは依然として話題となっている。しかし、このセンテンスそのものは間違った表現である。なぜなら、EUが新しい加盟国を吸収するように、国土が広くて活発かつ活力のある文明の特性を保っている中国を受け入れることは、どの主体にとっても無理なことであろう。中国は新しい世界秩序の共同構築者であり、先進国にとって、中国の特色のある新世界に適応するため、自らを調整しなければならない。

「中国の台頭は世界に不安定をもたらす」という懸念もあるが、この考え方には二つの間違いがある。一、現在の人々にとって考えなければならないのは「中国の台頭」や「平和的台頭」ではなく、「中国的世界」の再現である。二、数世紀いらい、中国はアジアひいては世界の主な構造的支柱である。事実、中国の復興はアジアの安定、世界の平和にとって重要な役割を果たすものである。

21世紀における中国の復興は、アメリカとの衝突をもたらすのか?第二次世界大戦期に、中米は同盟者であったし、日本帝国主義に対抗したことがある。周恩来総理とキシンジャー博士が共同で起草した「上海コミュニケ」が調印されてから35年後の今日、中米が相互依存の関係を結ぶに至ったことはすでに事実となっている。「真の中米間協力関係は、太平洋地域にこれまでになかった平和と繁栄の時代を切り開くことになろう」とより多くの中米両国の人々が意識している。

中国の近代化を議論しているアナリストたちは経済分野のみに触れているが、ポスト帝国時代とポスト毛沢東時代の中国は、政治の近代化をも促している。中国の特色のある民主化は、「民主」という概念のより豊かな内容を欧米の政治学者に提示している。中国の人々が保っている個人の自由はこれまでないほど大きなものであり、法律の整備の促進とともに、中国は社会、経済、政治などの分野でより多くの進歩を遂げると見られている。

欧米の主流メディアは「中印(Chindia)の神話」を作り出している。しかし、中国とインドを並べて論じることは学術的欺まんである。中国とインドはまったく異なる文明である。それだけでなく、インドの民主の表面下には矛盾が潜在している。中国の人々は男女を問わず、インドの人々より多くの教育と仕事のチャンスに恵まれており、本当の多元化社会を擁することができる。一方、インドでは、個人の自由は、目には見えないがどこにも存在する哲学や宗教の信仰から強く束縛されている。しかし、中国では、社会と政治の改革は人々の生活に影響を及ぼし、それを改善している。

 欧米諸国は自らを物質や精神進歩の唯一のソース、世界のリーダと見なしている。しかし、欧米諸国にとって、中国は世界を豊かにし、より多くの活力を注いでいることを意識しなければならない。遅かれ早かれ、中国は大黒柱となり、イノベーションの能力をもって世界の近代化のデザイナーとなっていくであろう。

「チャイナネット」 2007年9月12日

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