それでは、2007年の中日関係は見渡す限り美しい情景だったのだろうか。筆者は国家関係の改善を十分に肯定すると同時に、なお残る問題にも目を向けなければならないと考える。1つには、日本の政治指導者による靖国神社の参拝という、中日関係を悪化させ得る要因が決して根本的な解決を得ていない。もう1つには、社会体制・イデオロギー・文化価値の差異、および経済発展段階の相違が、国際問題の処理における両国の認識の相違を決定づけている。短期間に転変する国際・地域情勢を前に、双方は時代に合わせて進み、ウィンウィンを求める心構えを持ち、両国の利益の交叉点の模索・拡大に努めなければならない。東中国海問題を例に取ると、東中国海の石油・天然ガス資源の「共同開発」はすでに両国の共通認識となっており、エネルギー協力の積極的な展開は、協議による問題の解決に望ましい政治的雰囲気を醸成するだろう。同様に、中日が他の重大な経済協力プロジェクトを共同で始動できるか否かも、新しいタイプの協力関係を試す重要な試金石となる。
福田康夫首相とその政府は、歴史問題における過去の日本の指導者の誤ったやり方を変えた。この転換は、中国側が長年提唱に努めてきた友好協力を現実のものとした。2007年の終わりを前に、福田首相は年内の訪中を最終決断した。日本からはさらに、福田首相が中国首脳の会談で「黄砂と揚子江の水質問題の解決」を話し合うとの情報も聞かれる。中日が長江の水質問題を共同で解決することは、確かに両国関係発展の良策といえよう。かつて人々は「揚子江心の水、蒙山頂上の茶(水は揚子江の水、茶は蒙山茶が良い)」の喩えで、優れた品や傑出した事物を表現した。歴史上、茶と茶の文化は中国から日本に伝わり、今日の独特な日本式茶道文化の形成を導いた。今後、日本の環境保護技術を利用して長江の水質を改善することができれば、これもまた現代の中日関係と互恵協力の美談となるだろう。
「人民網日本語版」2007年12月27日
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