今年4月、温家宝総理が日本へ三日間の公式訪問を行い、これは「氷を融かす旅」と称されている。その後、中日両国はハイレベルでの往来を強化し、双方の交流の深さも広さも新しい段階に入っている。先般、『日本新華僑報』は中日関係に関して、在日中国人留学生4人にインタビューした。「2007年の両国関係は顕著に改善されており、これは両国関係の歴史における転換点と言える。現在の基礎を踏まえ、「中日関係の飛躍年」と見られる2008年はさらに期待に値する一年になるだろう」と留学生たちは見ている。
取材対象:
石江水:東京大学環境海洋工学専攻の博士
何晨:立教大学院生
花長春:一橋大学公共政策学院生
戴暁芙:復旦大学日本研究センター副教授
ずっとマスコミを通して、温総理のスケジュールに注目
一橋大学の花長春さんは、今でも温総理の「氷を融かす旅」のスケジュールをはっきりと覚えている。「そのとき、毎日の暇な時間を利用し、テレビを見たり、ニュースを読んだり、インターネットをしたりして、温総理のスケジュールに細心の注意を払っていた。温総理が今日どこに行くのか、何をしたのかなどを知りたかったから」、と花長春さんは語った。
温総理が日本国会で行った講演は花長春さんに深い印象を残した。「その講演は、温総理の率直かつ親切な個人的魅力を示していた。講演の中で、温総理は戦後の日本が歩んできた平和の道に言及し、日本の対中援助に感謝した。これはさらに日本の指導者や国民の好感を呼んだ。私たちは非常に誇りに思う」と花長春さんはさらに語った。
中日関係の温暖化を感じる
温家宝総理の出迎えチームの一員として、現在日本の船舶海洋会社で勤めている石江水さんは次のように述べた。
中日関係の発展は一時的なのことではなく、温総理の訪問にだけで、すべての問題が解決できるわけではない。しかし、注意深く観察すると、中日関係が理想的な方向へ向かって前進していることが感じられる。
小泉元首相が政権を握っていた時、中日関係は膠着状態に陥っており、マスコミの報道も両国の矛盾や衝突に集中していた。身近な日本人は比較的友好的であるが、留学生たちはやはり緊張した雰囲気をかすかに感じていた。しかし、安倍首相の「氷を砕く旅」及び温総理の「氷を融かす旅」の後、留学生たちは以前と違う雰囲気を感じている。政府間関係の緩和は、マスコミの口調も緩和させ、国民の心理状態の緩和ももたらした。
高齢化及び経済成長の回復に伴い、日本の労働力不足が顕著化している。従って、在日留学生が人並み以上の能力さえ持てば、日本で気に入った仕事を見つけることができる。
中国語を勉強したがる日本人が増えた
日本で7年間留学している何晨さんは、中日両国には数多くの相違が存在しているが、民間交流及び経済的往来が中断したことは一度もない、と語っている。現在、中国語を勉強したがる日本人がはますます多くなっている。何晨さんはこれをきっかけとし、事務所を設立し、中国で勤めたい日本人にもっぱら中国語を教えている。
何晨さんはかつて中国語を教えるバイトをした経験がある。これをきっかけして対中投資に興味を持っている日本の商業界の人々と知り合った。彼女によると、今年いらい、中日関係の緩和に伴い、中国に存在する多くのビジネスチャンスに気づいた日本人がますます多くなっているという。
2008年、期待に値する一年である
日本で研修中の復旦大学日本研究センターの戴暁芙副教授は次のように見ている。温総理の訪日は中日関係の「政冷経熱」(政治面での関係は冷え切っているが、経済面での交流は栄えている)の状態に終止符を打ち、ある程度「政冷」がもたらしうる「経冷」を抑制した。政治面でのハイレベルの会合は、中日関係の発展を促しており、今年スタートした対話メカニズムも中日関係のいっそうの発展を加速させている。
日本の福田首相がもうすぐ中国を公式訪問することになっている。これは中国との友好的往来を強化しようという福田首相及び日本政府の願望を具現している。2008年は、中日両国の国民の期待に値する一年である。しかし、中日関係の更なる発展を遂げるには、まだたくさんやるべきことがある。例えば、新たな経済協力分野を広げること、など。
「チャイナネット」2007年12月25日