▽金利引き上げはCPI上昇を抑えられるか
消費者物価指数(CPI)は金利水準を決定する主要因であるため、2.7%のCPI上昇率が中国人民銀行(中央銀行)のさらなる金利引き上げをもたらすかどうかに関心が集まっている。中国のCPI警戒ラインは3%で、実際の金利を正常な数字に引き戻すための最も直接的な手段は、金利引き上げという便利な手段を発動することだ。しかしある専門家は、金利引き上げという調整手段は相対的にみて強硬で、預金準備金率の引き上げがより穏やかな手段だとの見方を示す。
現在の多数意見は、短期的には人民銀行の金利引き上げの可能性は低いとするものだ。申銀万国証券公司の陸文磊研究員の分析によると、3月中旬に金利を引き上げたばかりであり、それから1~2カ月間は政策的観察期であることを踏まえると、金利引き上げの可能性があるのは最も早くて5月中旬、より合理的な時期は6~7月になる。UBS銀行関係者も同様の見方を示し、データから強い政策的反応が引き起こされることはないとする。
中信証券の程偉慶・策略研究員は取材に応える中で、CPI上昇を招く主要因は食品価格の上昇で、これは金利引上げで解決できるものではない。金利引き上げのマイナス作用が明らかになっており、人民銀行にとって金利引き上げが矛盾点となっているとの見方を示した。経済学者の韓志国氏(北京邦和財富研究所所長)は「中央銀行がさらなる金利引き上げを行えば、世界のホットマネーの流入が進み、人民元上昇圧力がさらに強まる」と指摘する。
業界関係者の金利引き上げ観測はなお続いている。しかし実際が立証するように、過剰な流動性の問題を緩和するために、通貨政策を用い続けることは難しい。根本的な解決の道は、資本市場の発展、中国のリソース配分メカニズムの転換、投資・消費構造の改善にあり、ここから大国経済から強国経済への良好な循環が実現する。
政府関係者であれ、経済学者であれ、政府がいかなる方針を採用するにしても、安定を追求し、経済成長の持続性を維持することが必要だとの見方で一致する。
「人民網日本語版」2007年5月16日