▽大型航空機プロジェクトに与える影響は
天津市浜海新区でエアバス社「A320」シリーズ機の総合組立工場の建設プロジェクトがスタートしたのとほぼ同時に、中国は今後、独自に大型航空機の研究開発を進めることを宣言した。新工場プロジェクトは、中国の大型航空機プロジェクトにどのような影響を与えるだろうか。
こうした問題について、エアバス中国法人のフィリップ・リン首席代表は「中国は世界で最も重要な航空機市場の一つになりつつあり、中国が今後、独自の大型航空機研究開発能力を備えるようになることは間違いない」と指摘。またエアバスの発展経緯を振り返り、「航空機の研究開発で最も難しいのは、研究開発した航空機をいかにして世界市場に認めさせるか、予定通りに引き渡しを行い、メンテナンスを提供できるかどうかという点だ。協力を展開し、世界の進んだ経験に学ぶことが、効果的な解決方法になる」と述べる。
リン首席代表によると、これまで中国には大型航空機の組み立てを行うという経験がなかった。新工場プロジェクトは一つのモデルを提供するだけでなく、中国でこの方面の人材を育成することになる。プロジェクトの始動後、エアバスは航空機製造の最重要部分である主翼構造の製造技術も中国に移転する予定だ。
天津中天航空工業投資公司の趙海山総経理によると、今回の新工場プロジェクトは中国における大型航空機の研究開発と互恵関係にある。経済グローバル化を背景に、産業の発展をすべて自前でまかなうことは不可能になり、他者との協力が欠かせなくなった。国際協力が進められる環境の中で、最もよい位置を追い求めるために、今回の新工場プロジェクトでも中国の大型航空機プロジェクトとの協力の可能性を排除しない。
「人民網日本語版」2007年5月16日