▽中国企業の生産能力拡大は、国際市場の鋼材価格引き下げを可能にする
中国鉄鋼産業協会の戚向東常務副秘書長(副事務局長)は「中国鉄鋼脅威論」について次のような見方を明確に示す。
「中国鉄鋼脅威論」というような論調は客観的なものではない。現在の国際鋼材市場は十分な競争が行われている市場であり、すべての企業が自身の市場競争力を高める権利を有している。中国企業だけでなく、世界の鉄鋼企業はみな大型合併・買収(M&A)を行っている。なぜ中国企業だけが市場に打撃を与えるというのか。中国企業の生産能力拡大は、国際鋼材市場の需給問題を緩和すると同時に、国際市場における鋼材価格の引き下げに効果的であり、世界にとってよいことだといえる。
「脅威論」のよって来る所を考えると、現在の鉄鋼貿易摩擦という複雑な背景に気づくだけでなく、米国の貿易保護主義の台頭という政治的・経済的原因があることも容易にわかる。ある専門家の見方によると、米国が自国の鉄鋼企業の競争力向上に着手せず、貿易保護主義を押し進めれば、最終的には米国の消費者の利益を損なうことになる。
「人民網日本語版」2007年6月1日