黒竜江省観光局の王永生副局長は、中国の一般市民、とりわけ都市生活者の中で、観光旅行で余暇を過ごすというブームが起こり始めており、感覚と体験を重視する消費が市民生活に融け込みつつあると語る。都市生活者のストレスはますます大きくなり、騒がしくてぎこちない環境から離れ、個人の空間で過ごすことが求められている。
王副局長によると、「感じる消費」は環境の転換と体験式レジャー、あるいは徹底的なリラックスという面に重点が置かれており、西洋式の成熟した消費モデルといえる。中国の都市はスタートこそ遅かったものの、かなりのスピードで発展しており、北京、上海、成都、哈爾濱(ハルビン)、大連など多くの都市で、多種多様な「感じる消費」が生まれている。
「『感じる消費』は、人々が質の高い生活に向かっていることの現れ」と言うのは哈爾濱万達国際電影城(映画館)の張春年総経理。「書店の隅や階段で並んで座って本を読む人を見ると、乱れた都市の中でも静かに読書できるのだと、安心します。老若男女が好きな映画を見に映画館へ入るのを見たとき、稲妻のような拍手とホールに響く笑い声を聞いたとき――突如、自分にはこんなに友人がいたのかと思えることでしょう。このような不思議な感覚は見事です」。
「人民網日本語版」2007年8月5日