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中米経済関係の行方

内需拡大に期待

中米貿易摩擦の最前線は、貿易不均衡問題にあるといえます。米国が人民元の切上げや市場開放を迫るのも、米国が対中貿易で膨大な赤字を抱えているからです。

目下、中国は成長パターンを外需から内需優先に切りかえようとしています。具体的には、輸入拡大や国内市場のいっそうの対外開放などです。両国の貿易不均衡は是正されると期待できます。

知的財産権問題も、今や中国企業が損害を受ける時代になってきており、筆者は中国を訪問するたびに急速に改善されていると実感しています。

ただ、対中進出した米系企業の多くは輸出で大きな利益を出しており、中国の膨大な貿易黒字に貢献しているわけです。これら企業の製品やサービスで、米国民生活が豊かになっているという側面もあり、単純に両国間貿易を均衡させれば済むということではないといえます。

企業と資金の対外展開

最後に、中国には、今後も世界経済の発展に積極的な貢献をしてほしいと思います。そのためには、中国企業は、資本の対外展開をさらに推進してほしいものです。目下、中国の対外直接投資は世界第13位で、これは対内投資の25%強に当たります。実力はまだまだ上でしょう。

前述の米国のブラック・ストーン集団への30億ドルの投資は、世界一の規模を誇る外貨準備が使われています。こうした対外投資により、世界第3位の貿易大国であり、世界第4位の経済大国である中国に集まった資金を世界に還流させ、中米貿易摩擦を減らし、そして中国の「和平崛起」と「和諧社会」を実現させてほしいものです。

 

注1 4月10日、中国国内での知的財産権保護制度と海外の音響製品・書籍の輸入および国内流通制限がWTO提訴の対象。日本もEU、メキシコなどと第3国参加している。

注2 中国の対米投資は9億7000万ドル。

注3 中国国内証券市場で取引を行える機関(銀行、証券会社など)のことで、2007年2月末現在、モルガンスタンレー、ゴールドマンサックス、香港上海銀行など海外52機関(日本は野村証券、日興アセットマネジメント、大和証券SMBCなど)がこの資格を取っている。このうち、49機関に総額100億ドルの投資枠が与えられている。

「人民網日本語版」より2007年9月21日

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