応用技術はさらに成熟
大亜湾原子力発電所
霍氏は「核の応用技術によって安全運転を確保することができ、中国の原子力発電所では放射能漏れ事故が起きる可能性はない」と指摘する。霍氏によると、原子力発電所は高さ数メートルの鉄筋コンクリート製の安全壁に囲まれており、暴風による被害や小型戦闘機の衝突にも耐えられているという。過去、国外でスリーマイル島やチェルノブイルで事故が発生したため、80年代初めに大亜湾原子力発電所を香港に近い深センに建設するに当たり、多くの香港市民が建設に反対した。こうしたことから、大亜湾ではフランスや英国の技術と設備を導入して建設、管理することにした。94年に発電を開始し、その安全性が確認されている。霍氏は「現在、第4世代の核反応炉を研究しているところだ。いったん事故が発生すれば自動的に冷却するので、人間による操作は必要なく、安全性はずっと高い」と説明。ミサイルの襲撃について、霍氏は「全く心配ない。世界の核施設は国際原子力機関が統一的に管理しており、核エネルギーを使用する国は事実上、1つの利益を共有する連盟を形成している。一国の原子力発電所を軽々しく襲撃することは実質的に、全世界のすべての原子力発電所に対する宣戦布告となる」と指摘する。原子力発電所関係者や付近の住民にとって、たとえ放射漏れがなくとも、長年にわたって核反応炉の周囲で仕事をしたり生活したりしていることから、健康への被害はないのだろうか。これについて霍氏は「原子力発電所では、環境の媒介物質からサンプルを抽出し、放射性物資の含有量を検出するなど、一定の方法に基づいて定期的に分析を行っている。現在の研究と監視・測定に基づけば、原子力発電所で発生した放射能が人体の健康に被害を与える事例はまだない」と強調。秦山原子力発電所では建設当初から、3キロの範囲内の36カ所に定時自動検出システムを設置するとともに、発電所周囲の50キロの範囲内で空気、水、土壌、農業副産品などを対象に検査しているほか、羊を購入して、その放射性物質の含有量も測定している。検査・測定の結果、これまでのところどんな異常な環境データの変化は見つかっていない、