2003年から18億元を投入して、8年間をかけて取り組まれてきた500ヘクタールに及ぶ吉林省長春市の「浄月潭退耕還林プロジェクト」
耕地面積の減少を食い止めるため、これまで8年間行ってきた「退耕還林」(耕地を林地に戻す)プロジェクトが今年から一時停止される運びとなった。
盧根生さんは四川省から来た出稼ぎ労働者。彼は、もとは山の傾斜地に作った段々畑を耕作していたが、数年前、中・西部地区における国の「退耕還林」政策が実施され、彼の約0.2ヘクタールの段々畑も耕作を中止しシダレイトスギを植えることになった。国の政策で1ヘクタールにつき7.5kgあるいは15kgの補助食糧と300元の補助金、植樹用の苗の費用として750元が支給され、その補助期間は経済林で5年間、生態林で8年間とされた。盧さんの村ではほとんどの青壮年が出稼ぎに出ており、植樹は残った一部の老人らが行った。
翌年、彼は補助金を手にした。彼の畑に植えたのは生態系の樹木だったため、果樹を植えた家より3年間多く補助金を支給されることになった。しかし、彼は「補助金を3年間分多く支給されても人より900元多いだけ。果樹を植えた家は、毎年その収穫による収入が900元以上のはず」と考えていた。
しかし、国が生態林でさらに8年、経済林で5年の補助支給措置の延長を決めたことを、盧さんはこのときまだ聞いていなかった。
この新政策は国務院が発表した「退耕還林政策の完全実施に関する通達」(以下「通達」と略)だ。それは「第11次5カ年計画期(2006~2010年)における133万ヘクタールの退耕還林の規模を、2006年分として策定済みの26万7000ヘクタールを除き、暫時停止する」というものだ。
この決定は、最近4年間の退耕還林の縮小規模から言えば当然の帰結だ。国土資源部の統計によると、1996年から2005年まで、生態林については1年間で耕地減少分の60%にあたる約73万3000ヘクタールの耕地を樹林に戻した。今年4月に公表された土地利用の変更に関する調査結果によると、06年末の全国の耕地面積は1億2200万ヘクタールで政府が求める耕地面積のアンダーライン1億2000ヘクタールに近づいた。
これは、1999年から始まった「退耕還林」の試みが、8年の歳月と4兆3000億元あまりの財政投入を経て、一時ストップせざるをえなくなったということだ。