~国際収支の平衡を達成するために~専門家の見方
米ドルの為替レート管理緩和も
同報告はまた、銀行による店頭為替レート管理を緩和すべきだとした。専門家は現在の外国為替指定銀行の米ドル店頭為替レートの売買価格差に対する管理政策を緩和または撤廃すべきだと指摘した。
現在、中国の外国為替指定銀行では、米ドル以外の通貨の売買価格差が自由化されている。しかし、米ドルの店頭為替レートに関しては売買価格差を最大1%とする足並みがそろわない管理体制が取られている。つまり、米ドル送金の売りと買いの価格差は当日の中間値から1%以上は離れてはならないことになっている。米ドル現金についても中間値から4%までと規定されている。銀行は限度内であれば自由に当日の為替レートを設定できる。対外貿易大学の丁志傑教授は、「今年第3四半期から外国為替市場で大幅なドル安が進み、銀行は多額の為替損失を出した。このため、銀行の為替レートに対する管理を緩和することで、国際市場における米ドル相場の急激な変化が銀行にもたらす損失を回避すべきだ」と主張した。
専門家はまた、売買価格差の制限が撤廃されれば、銀行は経営コストと国際市場の変動に基づき合理的に米ドルと人民元の店頭為替レートを設定できると指摘する。また、店頭でのレート自由化で、翌日の銀行間市場における中間値を形成するガイドライン的な役割も果たす。銀行が顧客に対する為替レート管理を撤廃することで、市場参加者に需要と供給に基づき為替レートを形成させれば、市場は為替レート形成においてさらに大きな基礎的役割を発揮することになる。
「人民網日本語版」2007年11月1日