中国古代思想も参考に
ここ30年の改革の歴史を探ると、成功のカギは制度の革新にあったことがうかがえる。戸別生産請負制から国有企業改革、非国有制経済の発展、海外資金の導入まで、すべてが制度革新の例だ。管理工学にも同じ不断の革新が必要だ。
中国において管理工学は、改革開放後やっと発展をはじめた学問分野であり歴史は浅い。海外とくらべればまだまだ遅れているのが現状だ。しかし、この状況も国内の学者や管理者にとってはチャンスと捉えることもできる。国外の先進管理学理論から進んだ分析方法を学ぶと同時に、中国古代に存在した管理思想から現代に通用する考え方を取り入れることもできるからだ。
春秋戦国時代(紀元前770年~紀元前256年)は「百家争鳴」の時代で、孔子、孟子、管子、孫子、鬼谷子などたくさんの思想家があらわれた。それぞれが独自の思想体系を持ち、それぞれが異なる管理思想を持っている。また中国古代にはたくさんの成功した管理実践例があるので、研究する価値がある。たとえば都江堰(紀元前3世紀に建設された世界最古の治水施設)のような大工事が完成した舞台裏には学ぶべき多くの経験があるだろう。
国外の進んだ理論を学び、古代の管理思想と実践のエッセンスを吸収した土台の上に、国際交流を深め、中国の特色を持った管理工学を構築していくことがまさに求められている。中国の管理工学もやがて世界の管理工学のなかに位置付けられるようになるだろう。その時に中国独自の管理工学は、発展途上国にとって貴重な参考となるはずだ。
「人民網日本語版」より2007年11月1日