現在、アメリカの経済成長率は3.9%にとどまっており、EUもわずか2.9%である。同時に、ヨーロッパは高齢化及び年金・社会保障支出の増大に直面している。これらの支出は2010-2015年にピークに達すると見られる。現在、アジアこそが世界工業の生産センターである。中国経済の成長率は10%を保ち続け、今後20年の間に、中国の経済総量は2倍増となり、購買力平価に基づいて計算されたGDP及び対外貿易額は世界一になるに違いない。
同時に、アジア太平洋地域は全世界の経済や生活を主導している。統計データによると、21世紀の初期に、アジア太平洋地域は世界貿易総額の50%を占め、世界GDP総額の60%を占めるに至った。2001年に行われたアジア太平洋経済協力会議(APEC)において、同地域の貨幣でドルに取って代わるという考え方が提出された。また、人々はその仮想の貨幣を「アジア元」と名付けた。これは偶然のことではない。
実をいうと、アメリカがアジア太平洋地域を主宰する時代はもう幕を閉じようとしていると見られている。人々が意識的に避けて通ろうとしている事実は、アジアには、新たな主宰の力が現れているのである。今後20年の間に、上述の「アジア元」の代わりに、人民元がアジアで通用する貨幣となるかもしれない、と予測する人も少なくない。
「チャイナネット」2007年11月8日