記者
近年、カナダとの貿易は急速に増大しています。中国は米国に次ぐ第2の貿易パートナーとなっていますが、貿易ではどの面で相互補完性があるのでしょうか。
総裁 相互補完の分野は非常に多いですね。なかでも金融サービス分野です。カナダの一部の銀行大手、例えば、カナダロイヤルバンクやノバ・スコシア、それに一部の保険会社が北京、上海やその他の地区に支店や子会社を設立しています。交通分野では、ボル・バルディアが非常に活躍していて、かなりの成功を収めています。農産品加工や自然資源の分野でも、相互補完性があります。こうした分野での相互補完性が貢献したことで、カナダは中国のニーズを満たすために付加価値のあるものを提供することができたのです。
また、一部の新興分野での相互補完性にも目を向ける必要があります。例えば、環境保護技術です。カナダには環境保護技術の開発でかなり先進的な企業があり、同時に、中国も環境の質的向上や、医療の改善、それに教育の質を「第11次5カ年計画要綱」の重点にしています。環境面で、中国は確かに多くの試練に直面しており、国家戦略を策定する必要がありますが、環境保護技術の面では将来、利益を受けることができるでしょう。カナダを含め多くの先進国が経てきたように、私たちが現在持っている技術は30年前、あるいは50年前の工業革命のときにはなかったものです。こうした先端技術によって、温室効果ガスの排出を削減したり、生産プロセスをクリーンにしたりすることができるなど、さまざまです。望むのであれば、私たちは技術を模索して解決することができます。つまり、技術と政策を結びつける、ということです。こうすることで、中国だけでなく、さらに世界的な範囲で私たちの環境保護に対する思い、理想を実現することができるでしょう。
記者 カナダの「グローバル・チャイニース・プレス」の報道によれば、10年のバンクーバー冬季五輪組織委員会は中国企業を呼び込むため、わざわざ中国版のビジネスガイドを作成しました。では、08年の北京五輪、10年の上海万博の期間、両国はサービス分野でどんな協力をするのでしょうか。
総裁 この面での協力を期待しているのはもちろんです。実際、私たちは先ごろ、上海で「上海CCBC貿易投資フォーラム」を開催し、上海万博組織委員会の副主席と突っ込んで意見を交換しましたが、その内容の一つが、万博開幕前、開幕中、そして閉幕後にカナダの企業にビジネスチャンスがもたらされるかどうか、ということでした。協議は非常に成功しました。
私たちが望むのは、北京五輪、上海万博、それにバンクーバー冬季五輪、この3者を通して、参加する選手、または参加国に快適な環境を提供するだけでなく、同時に両国の企業がそこからビジネスチャンス、利益を得られるようにすることです。
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