ホーム>>経済>>視点 |
日本の対中投資の構造がグレードアップ(2)環境保全産業が新たな主役へ |
発信時間: 2008-05-12 | チャイナネット |
|
日立と雲南省政府は先日、「中国雲南省鉄鋼、化学工業業界の電機システムの省エネプロジェクトの協力取り決め」に調印した。このプロジェクトの対象になっているのは、雲南省内の総合エネルギー消費が石炭5000トン以上の約600社の重点企業だ。まず雲南省の鉄鋼業と化学工業の企業からぞれぞれ一社を選び、日立の省エネ技術を導入する。成功すればこのモデルをほかの企業にも応用する方針だ。 高い省エネ効果が評価されている日立のインバータユニットは、ここ1、2年間で売り上げが急増している。成都にある日立のインバータユニットを生産する合弁会社を例にすると、日立(中国)の統計では、2006年に注文を受けた額は7000万元で、2007年には前10カ月の注文だけでも2億元に達しているという。 日立は比較的早く中国の省エネ・環境保全分野にビジネスチャンスを見つけた日本企業である。日立は2006年末、さらに省エネと環境保全技術で中国市場を開拓していくという新しい中国戦略を打ち出した。 日中環境保全協力サービスセンターの大野木昇司氏は、「中日間の環境保全協力は主に政府や企業、公益団体が行っているが、昨年の円借款の終了にともない、今後、援助の形の協力がますます減少し、ウィン・ウィンをもたらす企業のこの分野への進出が増えていくだろう」と語っている。 ところが企業から見ると、中日両国は環境保全の分野における協力を非常に重視しているとはいえ、現在の状況はまだ満足できるものではない。大野木氏によると、日本の大企業は望ましい成果を出しているが、価格や知的財産権などの影響で、多くの中小企業はまだ目立った進展がないという。 日本貿易振興機構(ジェトロ)の日中省エネ・環境保全協力コンサルティング窓口に勤務する志村和俊氏は、日本人は時に自分たちには高い技術と設備があるため、中国は必ず必要とするというような考え方はやめたほうがいいと指摘する。「組み立てと買い上げは中国、開発は日本という形は、コストを削減できるとともに、中国も利益が上がり、これが趨勢となるべき。これは成功した企業の共通の経験」と話す。
「チャイナネット」2008年5月12日 |
· 日本の対中投資の構造がグレードアップ(1)製造業から現代のサービス業へ
|