人民元レートの過去約半月の動きをみると、「対ドル微減、対ユーロ急上昇」との特徴が浮かび上がり、人民元名目レートの急上昇ぶりがうかがえる。19日には人民元レート対米ドル基準値が1ドル=6.8599元を記録し、前営業日からやや反発上昇して、一日の上げ幅は66ベーシスポイントになったが、それでも8月に入ってからの累計下げ幅は211ベーシスポイントに達した。一方、人民元の対ユーロレートは上昇を続けており、8月の累計上昇幅は5885ベーシスポイントに達した。「上海証券報」が伝えた。
今年第2四半期(4~6月)に米ドルが復調して以来、人民元の対米ドルレートは低下を続け、その一方で対ユーロレートは相次いで上昇した。7月末現在の対米ドルレート上昇率は6.81%、対ユーロレート上昇率は0.13%で、今月19日には両者の差が一層縮まり、対ドルレート上昇率は6.48%、対ユーロレート上昇率は5.95%となった。日本円などその他の通貨に対しても似たような状況が起きている。
実際、こうした現象を解釈するのは難しい。ある銀行の取引担当者によると、人民元の対米ドルレート基準値は市場関係者がオファーし、中国人民銀行(中央銀行)が算出して決定するものだ。その他の通貨とのレート基準値は、同日の人民元対ドルレート中間値と、午前9時時点の世界の外為市場におけるその他の通貨の対米ドルレートを参考にして、算出し確定する。つまり、人民元の米ドル以外の通貨に対する動きと国際外為市場における米ドルの動きとは、密接に関連しているといえる。今年3月末から現在までの間に、ユーロの対米ドルレートは6.9%、人民元の対米ドルレートは2.3%低下した。ユーロの低下ぶりは人民元を上回っており、結果的に人民元の対ユーロレートが力強く上昇することになった。
ある市場関係者の指摘によると、こうした動きを受けて、人民元の名目レートは今後、急速な上昇が予想される。名目レートはある国の通貨とそのすべての貿易相手国の通貨との二国間の名目レートの重み付き平均値であり、米ドルやユーロは人民元名目レートを算出する際の重要参考通貨である。対ユーロレート上昇率が対米ドルレート低下率を上回れば、人民元名目レートもこれに応じて急速に上昇することになる。
「人民網日本語版」 2008年08月20日 |