複数の銀行の融資部門関係者が5日明らかにしたところによると、現在、2009年度の資金貸付先プランの制定作業が進められている。最近の国内・海外の経済情勢や銀行業の経営状況を踏まえて、商業銀行は資金貸付の構造や貸付先の地域などを大幅に調整する予定だという。「中国証券報」が伝えた。
関係者の予測によると、今後は長江デルタ地域と珠江デルタ地域への貸付金の伸びが鈍化する。鉄道、インフラ、大口製品などが重点貸付先となり、製造業、不動産業、輸出産業は資金繰りが厳しくなる。
華夏銀行の関係者によると、経済成長が鈍化していることから、現在、多くの銀行で貸付金の収益が悪化するとともに、リスクが増大しており、今年分の貸付限度額を来年に持ち越す予定の銀行もある。中国工商銀行の関係者によると、今年の銀行業界は不良債権の反動が大きく、今後の経営見通しは楽観できない。世界的な金融危機や国内の産業調整の影響を受けて、多くの銀行は年内にリスク対策費用を増額計上し、通年の収益レベルを引き下げるとみられる。工商銀行も資金貸付の割合やペースを調整し、リスクをできる限り軽減する予定だ。今後の資金貸付先となる業界について、中国民生銀行の関係者は、鉄道、インフラ、大口商品などの分野が主な貸付先になり、不動産業や単純な製造業などは引き続き厳格な管理を受けるか対象外になる見込みと話す。
招商銀行の関係者によると、財政政策やその他の調整政策を相次いで打ち出せば、経済の好転に向けた強力な下支えになり、各業界の経営状態を改善し、銀行が現在直面している圧力が緩和される。潜在的なリスクに備えるため、多くの銀行は今後~来年の資金貸付プランを大幅に調整する見込みで、中国人民銀行(中央銀行)が貸付金の限度額制限を緩和したにも関わらず、銀行が積極的に資金貸付を行うという状況は来年には出現しそうもない。銀行の貸付金をめぐる調整は、今後しばらく続くものと予想される。
「人民網日本語版」2008年11月6日 |