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金融サミット:新興国が発言権強化を要求
発信時間: 2008-11-17 | チャイナネット
 G20の金融サミットが15日にワシントンで閉幕した。各国は、国際社会が協力を強化して、金融危機に共同対応し、経済成長を支えることで合意したほか、国際金融システムを改革して、危機の再発を防止することを提言した。

 首脳宣言は「世界経済と国際金融市場が深刻な試練に直面する中、出席国は協力を強化し、世界全体の成長の回復に努め、国際金融システムに必要な改革を行うことを決意した」と強調。ブッシュ米大統領は閉幕後「サミットは成功した。各国首脳は経済成長の促進について合意し、これに向けて強力な行動計画を策定した」と表明した。

 宣言には、自由貿易の維持、保護主義への反対などの一般原則に加え、幅広い分野で金融監督を改革するためのロードマップなど、具体的措置も盛り込まれた。具体的な作業は各専門チームに委ねられた。各国首脳は次回会合で、専門チームがまとめた具体的な提案について協議する。これには、定期的に会合を開く「監督団」を設置し、グローバルに業務展開するメガバンクについて情報を交換するとのEU諸国の提案も含まれる。スイスに本部を置き、先進国の財務相と中央銀行総裁で構成される金融安定化フォーラム(FSF)を、中国やインドなど新興国まで拡大することも提案されている。宣言は、今後4カ月内に、国際金融機関を再構築し、国際監督・会計規則を改革するとしている。また、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、その他の国際開発銀行に、金融危機への対応においてより積極的な役割を果たすことを求めているほか、銀行や格付け会社への監督の強化、金融機関上層部の給与の審査、複雑な金融派生商品への規制の強化などにも触れている。

 今回はサミット自体が、経済危機の中で姿を現した新たな権力バランスを反映するものともなった。中国、インド、ブラジルなどは、国際機関での一層の役割発揮を要求した。IMFの現在の体制では、欧州の小国であるベルギーの議決権が中国よりも大きい。これは明らかに、世界経済の現状と符合していない。宣言はFSFを直ちに新興国まで拡大するよう要求したほか、将来的には世界経済の変化の現実を十分に反映するよう、IMFその他の国際金融機構も全面的に改革しなければならないと表明した。ワシントンに本拠を置くピーターソン国際経済研究所の開発経済学者、ジョン・ウィリアムソン氏は「今回のサミットは世界経済の発展の方向を明示した。眼前に置かれた事実は、中国、インド、ブラジルの参加がなければ、一切の決議は実質的な価値を欠くということだ」と述べた。

 宣言は内容の上で、見解を異にする分野での出席国の妥協も形にしている。宣言は「幅広い政策対応が不可欠」として、経済刺激策を幅広く支持しているが、各国首脳が世界的な協調行動について完全に一致したわけでは決してない。財政刺激策をすでに実行、または計画している国々は、経済刺激策は他の国々も同様の措置を講じてこそ一層の効果を発揮すると考えている。

 「人民網日本語版」2008年11月17日
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