▽経済的影響力の高まり
グローバル企業はここ30年で、外来の経済的要素から中国経済の構成部分へと変化を遂げ、中国の社会や生活にも大きな影響を与えるようになった。イプソスのデータによると、ほとんどの回答者が、グローバル企業は中国の経済発展を促したと考えており、この比率は07年よりわずかに上がった。グローバル企業は指定を受けた一部の大都市で優先的に展開されたため、グローバル企業の貢献を認める人の比率もこれらの都市の方が高い。
「グローバル企業は、資金・技術・管理など多くのものを中国経済にもたらした」とカーニー社の張氏は語る。改革開放が始まったばかりの頃、中国企業はグローバル企業からたくさんのことを学び、中国企業は製造能力を大きく高めた。中国企業は製造業を糧に輸出を増やし、国内の消費能力も高まった。中国の消費能力が上がったことで、グローバル企業はまた、付加価値のある製品や技術を中国にもたらした。
中国の人々は、グローバル企業が一般人の日常生活に大きな変化を与えていると考えている。07年の調査と同様に、「視野の国際化をもたらした」や「生活のクオリティーを上げた」、「競争意識を高めた」などがその変化として挙げられている。グローバル企業展開の指定を受けた大都市では、グローバル企業が「仕事での発展の空間を広げた」、「さらに高い賃金と福利を与えた」と考えている人が多い。
張氏によると、現在は、グローバル企業にとって微妙な時期だという。世界配置の調整によって、グローバル企業は製造業務の中国移転をさらに進めているが、このことは中国での製造を促進すると同時に、一般労働者の失業が増えた欧米からの中国の製造業に対する非難も引き起こしている。さらに環境や労務コストの面でもプレッシャーが強くなっている。グローバル企業は、先端的な価値観を中国に適用することにためらっているからだ。また、「中国経済へのグローバル企業の浸透は、中国企業が発展のチャンスをなくすことにもつながる」と張氏は指摘する。
グローバル企業各社はここ2年、期せずして同じ行動を取り始めている。展開のねらいを地方へと広げ、小都市や農村市場への攻勢を強めているのだ。イプソスの調査によると、小都市や農村市場へのグローバル企業の展開に対しては、半数以上の中国人が肯定的評価を与えている。
「人民網日本語版」2009年3月3日
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