ゼネラル・モーターズ(GM)の博物館には、GMの100年来の主要ブランドと車種が展示されている。後ろにある壁を見ればわかるように、GMは最盛期には10以上のブランドを有していた。しかし、この100年続く老舗ブランドの栄光は、すでに失われている。
1908年9月16日、ウィリアム・デュラントがGMを創設した。米国、さらには世界の自動車工業の発展史上、もっとも注目される企業が誕生したことになる。
初めは屋根なしの車両で、始動時にはクランクを手動で回す必要があった。それが、屋根つき車両になり、鍵でエンジンをかけるようになり、エンジンも蒸気エンジンから、世界初のゼロエミッション電動車、ハイブリッド車まで、、。
ブランドは創業時から続く「ビューイック」から、「キャディラック」、「GMC」、「シボレー」、「サターン」、「ハマー」、「ポンティアック」など10以上のブランドへと成長した。1世紀にわたるGMの発展の歴史は、米国ないしは世界の自動車工業発展の縮図といえる。
この100年間、GMは1930年代の世界恐慌、第2次世界大戦およびその後の不景気、1990年代の経済衰退などを経験したが、新技術の開発、構造調整、管理革命などを通じ、不安定な情勢の中を生き残ってきた。
しかし、21世紀に入ると、GMの重い足取りは時代のテンポについていけなくなったようだ。過去4年の累計損失は820億ドルに達した。アナリストによると、かつて奇跡を生み出したこの企業が今日の状態になったのには、▽かつて実力を過信し、日韓企業の競争力を軽視した▽盲目的に産業規模を拡大し、多元化経営に失敗した▽燃費が高く、市場ニーズの変化に適応できなかった▽歴史が長いため、退職者の年金が重い負担となった▽債務が付きまとい、資金チェーンが断裂した--など、さまざまな原因があるという。さらに経済危機による貸付と消費の縮小が最後の一撃となった。
現地時間28日、主要債権者はGMが提出した債務株式化の修正案を受け入れた。米国財政部は、新方案を受け入れる債権者は、GMの破産再編要求に同意するよう要求している。このため、GMは6月1日、正式に破産法適用申請を行うことが明らかになった。
「人民網日本語版」2009年6月1日 |