中国検索エンジン市場はこれまで、百度とグーグル(中国名「谷歌」)が90%以上のシェアを握っていた。その他の競争相手は長年の奮闘にもかかわらず成果がなく、上記2社への二極化の状態が続いていた。だが現在、強力な競争相手がこの市場へと新たに参入しようとしている。新検索システム「Bing」(中国名「必応」)を打ち出したマイクロソフトだ。米国からやってきた新たな圧力に対し、同じ米国からやってきたグーグル中国は百度よりも敏感な反応を見せ、シェア維持のための頻繁な行動に出ている。「北京晨報」が伝えた。
マイクロソフトは2日、「必応」の中国での運用を正式に開始した。世界で打ち出された検索サイト「Bing」の中国語版である「必応」は、マイクロソフトが中国語で打ち出す最初のウェブサービスブランド。「必応」という中国語名は、オリジナルの音訳になっていると同時に、「有問必応(問われたら必ず答える)」という意味もこめられている。
中国検索エンジン市場で独占的な地位を誇る百度は「必応」の出現に全く動じていない。コメントも出していないし、対抗する行動にも出ていない。これと対照的に、グーグル中国は最近、通常と異なる行動を頻繁に取っている。
グーグルのエンジニアはこれまで、ユーザーのアクセス速度に影響するという理由で、トップページに背景画像を置くことに反対してきた。グーグルは昨年、これに対する折中案として、ユーザーの好みに合わせてトップページをデザインできる「iGoogle」という業務を始めていた。グーグル中国は今週、音楽家の郎朗や譚盾、漫画家の畿米や蔡志忠、北京五輪マスコットのデザインで知られる呉冠英ら多くの芸術家と、「iGoogle」のデザインを依頼する契約を結んだことを発表した。「iGoogle」のユーザーにより多くの選択肢を提供する。
グーグル中国の動きは芸術家との契約にはとどまらない。2週間という短期間で検索支援ツール「百宝箱」を開設したほか、控え目ながらショッピングサイトも打ち出した。グーグルは、中国での市場シェアを30%とすることを目指しており、「必応」によるシェア争奪を防ぐためにさまざまな対策を講じている。
「人民網日本語版」2009年6月3日