工業情報化部はこのほど、「コンピュータのフィルタリングソフト導入に関する通知」を発表し、7月1日以降、中国で販売されるパソコンに「緑バ-花季護航」と呼ばれる指定のフィルタリングソフトの搭載を義務付けた。輸入製品も対象となる。パソコンメーカーとソフトウェア提供者はパソコンの売上台数とソフトウェアのインストール数を定期的に報告しなければならない。
▽中央財政資金でライセンス買い取り 1年間は無料で提供
この通知によれば、ソフトウェアはパソコンのハードディスクまたは付属ディスクにインストールし、パーティションの復元とディスクの復元をバックアップファイルとしなければならない。総合テストと試用を経て、同ソフトウェアは有害な文字や画像をフィルタリングでき、パソコンメーカーの、インストール条件を備えていることが証明された。
実際には、同ソフトウェアのインストールとダウンロードはすでに始まっている。関係当局は、今年の5月末までに全国各地の小中学校のパソコンへの導入を要求したほか、農村市場の消費刺激策「家電下郷」リストに含まれるコンピュータにもすでに導入され、これまでに5000万台以上に搭載された。
工業情報部、中央文明弁公室、財政部は「政府調達法」に基づき、中央財政資金で1年間のライセンスを買い取り、社会に無料で提供する。1年後に有料化になるかについて、金恵公司の張晨民総経理は記者の取材に対し、「まだわからない。関係部門の次の段階の意向を待つ必要がある」と答えた。
▽入札で選び出されたフィルタリングソフト、有害サイトをフィルタリング
フィルタリングソフト「緑バ-花季護航」は、金恵公司と北京大正語言知識処理科技有限公司が共同開発したもの。アダルトサイトや有害サイトへの接続を遮断するほか、インターネットの利用時間をコントロールしたり、閲覧記録を確認する機能などがある。
中国青少年インターネット協会のカク向宏秘書長によると、関係部門は数多くのフィルタリングソフトの中から入札によって2種類のソフトウェアを選んだ。「緑バ」は写真のフィルタリングに優れ、「花季護航」は文字のフィルタリングに優れていたため、この2つの製品を統合したという。
▽いつでもアンインストール可能 安全リスクを防止
中国で販売される全パソコンに同ソフトが搭載されることに対し、使用が強制化されるのでは、と疑問を抱くネットユーザーもいる。彼らは、消費者が自主的にソフトをインストールするほうがいいのでは、という意見だ。
同ソフトは強制的にインストールされるソフトではない。パソコンメーカーによる提供は義務付けられているが、利用者はいつでもアンインストール可能だという。
「人民網日本語版」2009年6月10日