▽人民元国際化の推進は妥当か
人民元の国際化をいかに実現するかについては、政策決定者と研究者は、「2つの3段階」という共通の認識を持っている。地域の面では「周辺から地域へ、さらに世界へ」という3段階での推進、機能の面では「決算から投資へ、さらに準備通貨へ」という3段階での推進が必要となる。中国は昨年10月から、一連の通貨スワップ協定を周辺国・地域と調印してきた。国家外貨管理局は最近、海外投資企業への政策的融資や海外直接投資の手続きの簡便化などを次々と打ち出した。これらの措置にはいずれも、人民元の海外進出を加速させる意図がある。
だが李所長によると、米ドルや日本円が準備通貨となった過去の例から考えると、まず必要なのは、相手国に対する貿易黒字を実現することだ。中国では現在、米国や欧州など一部の国との収支が黒字であるのを除き、ほとんどの周辺国とは赤字収支となっている。黒字収支という前提を作り出す必要を考えれば、人民元の国際化にはまだ長い時間がかかると見られる。さらに李所長は、「人民元の国際化を人為的に加速することがふさわしいかということももう一度考慮する必要がある」と指摘している。
「人民網日本語版」2009年6月17日
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