中国国際金融公司の哈継銘チーフエコノミストはこのほど、2009年蘇州革新創造企業家サミットに出席した際、「発展途上国のインフレは先進国よりも早く起こる。現在、中国経済は発展に向けて経済危機の影響をそれほど大きく受けていないが、これは中国経済の今後の発展に光明が差していることを意味するわけではない。引き続き冷静で、常に警戒を怠らない態度でいることが必要だ」と述べた。中新網が伝えた。
金融危機に対処するため、国は4兆元を投入して内需拡大をはかった。哈チーフエコノミストによると、政府の投資計画に刺激を受けて、中国の今年の国内総生産(GDP)は成長率8%の維持という目標は基本的に達成し、下半期にはさらにこれ以上の数字を達成する可能性もある。だが現在の中国経済にとって、政府の投資は一種の「麻酔薬」であり、金融危機の急速な広がりがもたらした痛みをやわらげるものに過ぎない。中国経済の長期的で安定的、かつ急速な発展を保障するには、一時的な経済刺激策だけではだめで、一時的な解決と根本的な解決を兼ね備えた「良薬」を見いださなくてはならない。この良薬は何か。哈チーフエコノミストが出した答は改革だ。
哈チーフエコノミストによると、改革とは一面的なものではなく、多面的かつ深層レベルでの改革が必要だ。特に大事なのは農村改革で、農村改革の意義は都市化プロセスの加速にある。都市と農村部の一体化を促進すると同時に、農民の利益を保護する。都市・農村間の格差を縮小すると同時に、農村の消費を牽引することが必要だ。
哈チーフエコノミストはサービス産業の改革にも関心を寄せる。ある関連データによると、2015年に中国は高齢化社会に突入する見込みで、その頃には医療方面などにより大きな需要が見込まれるが、現在、これらの関連業界はほとんどが国の統制を受けている。哈チーフエコノミストは「独占状態の打開をさらに推し進め、個人資金がサービス分野に投入される場合の制限と条件を緩和すべきだ。医療教育、文化の分野では、より多くの個人資金を呼び込んで、サービスの個性化を求めるニーズに対応することが可能だ」と話す。
世界経済の今後について、哈チーフエコノミストは次のような見方を示す。これからの世界は長期にわたり低成長、高インフレの環境におかれ、高額の負債と人口構造の高齢化という二つの大きな山に突き当たることになる。中国の企業家は早くからインフレに対する心の備えをし、今後の経済発展について目先の心配より将来の展望をしっかりと考えるべきだ。
「人民網日本語版」2009年7月14日 |