スウィングバイ社の社長を務める海野恵一氏。米コンサルタント会社のアクセンチュアで32年にわたって勤務した経験を持ち、妻は台湾人女性。外見はほかの日本人と区別がつかないが、海野氏ほど「グローバル化」した日本人はそれほど多くはない。「国際金融報」が伝えた。
▽中国は「小さな国連」
南京市で6日に行われた中日企業家フォーラムには、グローバル化の最先端で活躍する海野氏も登場した。海野氏によると、中国は非常にグローバル化した国であり、日本にはこの点で弱点がある。中国はこの強みをいかして、危機脱却と経済回復を日本より早く実現する見込みだ。
海野氏によると、中国は、大きな多様性を持った国だと言える。文化・言語・民族のどの面を取っても、単一民族・単一文化と言われる日本とは対照的な多様性を持っている。中国はここ5千年余り、多くの民族を抱えながら存続してきた。異なる民族が戦争や融合を繰り返してきた歴史は、「小さな国連」とも言える特徴を中国に与えている。
中国は改革開放後、市場経済への転換を徐々に進めてきた。人民公社の廃止や住宅分配制度の廃止、WTOの加盟などの歩みを、海野氏は「静かな革命」と称賛する。グローバル精神を持った中国人はこれまで、形式にこだわらない柔軟な方法で変革を推進してきた。このような精神こそ、金融危機に直面しても中国がびくともしない理由となっている。
「これと比べると、日本人には変革の精神が欠けている」。生産技術がとても発達している一方、日本企業は、最先端の技術に固執し、生産効率などの要素を無視する傾向にある。海野氏によると、日本の生産効率は中国よりも30%低いという。