ここ数年、中国人が海外旅行先で化粧品や腕時計などを買うケースが増えてきた。商務部は6日、海外で行われるこれらの消費を国内に戻すため、高級商品の輸入税率を適切に引き下げてはどうかとの見方を示した。「北京商報」が伝えた。
商務部の姜増偉・副部長は6日、「消費・需要の拡大を揺るぎなく続けていこう」という署名記事を人民日報に発表した。姜副部長は、消費を拡大するためのルートや方法を3点にまとめ、輸入商品の税率を調整してハイエンドな消費を伸ばすことを提案した。
姜副部長によると、中国人の収入アップや人民元の高まり、国内外の商品価格のギャップなどを背景として、海外の旅行先で高級商品を買う中国人が増えている。同時に、中国の商品輸入は05年から年々増えている。税関総署が発表した商品輸入状況についての報告書によると、商品輸入の規模は、300億ドルの大台を06年に突破し、07年には前年比28.8%増の428億1千万ドルに達した。08年も商品輸入は引き続き伸び、年初からの8カ月だけで353億9千万ドルに達し、前年同期比から33.1%伸び、伸び幅は6.9ポイント高まった。
姜副部長によると、ハイエンド消費に大きな需要があることは客観的な事実だ。海外でお金を使われることを考えれば、国内で使われるようにした方が消費拡大にも役立つ。そのためには、化粧品や高級時計などの税率を適切に引き下げ、国内に需要のある高級商品の輸入を増やし、この部分の海外消費を国内での購入にまわし、国内市場の販売収入を拡大することを検討する必要がある。
消費の方法について、姜副部長は、「クレジット販売を発展させ、クレジット消費を刺激してはどうか」と指摘している。そうすれば、潜在的な消費需要を前倒しで引き出し、消費規模の拡大をはかることができる。流通企業の資金繰りを加速するのにも役立つ。監督の甘さが原因でクレジット危機に陥っている国もあるが、これをもってクレジット消費を否定することはできない。商務部などの5部門は今年、「クレジット販売の健全な発展を推進するための意見」を発表した。中央財政は、中小商業貿易企業の国内貿易における信用保険の保険料を適切に補助することを決めている。
「人民網日本語版」2009年8月7日 |