世界銀行のロバート・ゼーリック総裁は2日に北京で行われた記者会見で、最近の中国経済の回復ぶりはほぼ完全に内需に依拠したものであるとの見方を示した。また、中国には現在インフレ傾向はみられず、こうした時期に中国が経済刺激措置を撤回するのは極めて時期尚早だと述べた。「新京報」が伝えた。
ゼーリック総裁によると、中国は暴風雨にさらされ大波に巻き込まれるような経済危機のさなかにあっても緩やかに前に進んでいる。大規模な経済刺激策や通貨対策の強化を通じて、高度成長を維持し、世界経済にみえはじめた復興の兆しに貢献している。今年の国内総生産(GDP)成長率は8%に迫る見込みだ。
ゼーリック総裁は「最近の中国経済の回復傾向はほぼ完全に内需に依拠したもので、中国の貿易パートナーは中国の内需から利益を得ており、こうしたことが世界各国の信頼感を高めるのにプラスとなっている」と強調。また中国のインフレ圧力を懸念するかとの質問に対しては「目下のところ、そのような懸念はもっていない」と明言し、「中国が経済刺激措置を撤回するなら、それは極めて時期尚早だ。積極的な財政政策は経済復興を保障するのにプラスになる」と述べた。
ゼーリック総裁によると、中国の指導者との会談の中で、双方は中国が現在直面する課題について、具体的には▽医療衛生・教育分野への政府投資の増大▽金融部門の改革の加速▽サービス業の一層の開放▽流動人口の都市への移転の促進▽国内の消費傾向の深化などについて話し合った。
ゼーリック総裁が世界銀行総裁に就任してから中国を公式訪問するのは今回が3回目。3日には安徽省を訪問し、世界銀行が現地で進める林業、節水、高速道路建設など各分野のプロジェクトを視察する。4日の午後には英国・ロンドンで開かれる20カ国・地域(G20)財務大臣・中央銀行総裁会議に出席する予定。
「人民網日本語版」2009年9月3日 |