自主革新という戦略方針を堅持しながら、中国の大型水力発電ユニットの製造能力・レベルは世界のトップレベルに迫りつつある。三峡プロジェクトでダムの両岸に設置された発電ユニット26基のうち、8基は独自の知的財産権を備え、100%国産化を果たしたユニットだ。中国の大型水力発電ユニット設備製造業はわずか7年で過去30年分を超える発展を遂げ、ここから中国が独自に設計、製造、設置する大型水力タービン発電ユニットの時代がすでに始まったことがうかがえる。
同局によると、中国の水力発電事業は発電による巨大な利益をもたらしただけでなく、社会主義新農村の建設や地域経済の発展、大気環境の改善、河川の汚泥沈殿の減少、水質の改善、電力網の安全で経済的な運営の保障、および灌漑、水の供給、水災害の防止、交通、観光、養殖など各方面の総合的な利益に対しても、計り知れない貢献をしている。発電量だけをみても、一年間に石炭約2億6千万トンに代わる量を発電して、大気中への二酸化炭素排出量を約5億トン削減しており、生態・環境保護に対する効果は明らかだ。
特に注目すべき点として、三峡ダムの建設によって長江上流の洪水が効果的に抑制できるようになったことが挙げられる。中流の荊江区間では洪水対策基準が従来の10年に1度のレベルから100年に1度のレベルに引き上げられ、国民の生命や財産に対する洪水災害の脅威が大幅に減少し、長江中流域の江漢平原および洞庭湖地区に暮らす1500万人が安全と保護を得られるようになるなど、三峡ダムが防災に与えた効果は極めて大きい。またダム地域の水上交通環境が大幅に改善され、三峡地域の水上輸送量はかつての最高記録1800万トンから大幅に増加して7千万トンに到達。これを受けて水上貨物輸送業のコストが大きく引き下げられ、水上交通の大動脈が形成され、中国は今、水上輸送の黄金時代を迎えている。
*ハ:「土偏」に「覇」
「人民網日本語版」2009年9月3日
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