全国人民代表大会財政経済委員会の呉暁霊副主任委員(元中国人民銀行副行長)はこのほど、中国・欧州陸家嘴国際金融研究院と華安基金管理有限公司が共同で開催した中欧華安鋭智サロン活動に出席した際、「中国の資本市場には流動性の不足はなく、不足しているのは信頼感であり、良好な企業の供給システムであり、さまざまな性質の市場主体である。われわれの株式市場が、もしも市場主体の育成や上場企業の育成、多様な金融ツールの育成で一層の努力ができるならば、その前途は果てしなく広がることになる」と述べた。「上海証券報」が伝えた。
呉副主任委員はまず、流動性には3つのレベルがあるとして次のように説明した。第一レベルは銀行間の流動性で、主に商業銀行の資金がこれにあたる。第二レベルは社会の流動性で、国民の購買力、すなわち広義マネーサプライ(M2)がこれにあたる。第三レベルは市場の流動性で、流動可能な資産であるリクイディティがこれにあたる。
呉副主任委員によると、流動性の第一レベルである銀行間の流動性は、中国人民銀行(中央銀行)のマクロ調整における流動性の概念だ。人民銀が流動性を調整する時には、商業銀行が任意に蓄積し、動かすことのできる預金や法定準備金の超過分をその対象としている。中央銀行は銀行の法定準備率の超過分の調整を通じて、商業銀行の貸付金の発行力や通貨の創造力を抑制する。よって中央銀行が流動性管理を行う場合には、商業銀行の通貨の創造力および貸付金の発行力を抑制することが特に必要となる。
▽流動性の第二レベルは社会の流動性
呉副主任委員によると、社会の流動性とは企業、国民、政府が所有する通貨の量を指す。社会流動性の管理では主に通貨供給の創造力を抑制することが必要になる。通貨政策では総量を管理する、つまり通貨の供給を市場の商品流通に必要な数量の範囲に抑えることが必要になる。今ある通貨の総量のうち、企業、国民、政府がそれぞれどれくらいの通貨を獲得するかは、国民経済の運営状況と国民の所得分配メカニズムによって決まり、特に国の体制と財政政策によって決まる部分が大きいという。
「人民網日本語版」2009年9月22日