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トヨタ大量リコールに潜む米政府の打算
発信時間: 2010-02-04 | チャイナネット

大規模なリコール事件で散々な目に遭っているトヨタにとって、米運輸省の公開批判はまさに泣きっ面に蜂となった。

今回の米政府の行動に対し、東南大学法学院の張馬林教授は3日の「国際金融報」の取材で、「あからさま」と指摘し、「米政府のこの特殊な時期の行動は人々にいろいろなことを連想させる。ひそかにほくそ笑んでいるのかもしれない」との見方を示す。

米運輸省のレイモンド・ラフッド長官は、トヨタはアクセルペダルの不具合に対して反応が鈍すぎたと説明する。米側の役人が日本に行ってトヨタのトップと接触してからようやく対象車種200万台以上のリコールに合意したという。

レイモンド氏の非難はパーフェクトなPRでおなじみのトヨタにとって皮肉としかいいようがない。そればかりかトヨタには米政府と民間の訴訟も待ち構えている。トヨタに対する米国での訴訟は1月29日の4件を皮切りに、2月1日に新たに数件、不具合に対するクレームをトヨタが軽視したと告発があった。アナリストによると、訴訟の鍵はトヨタが故意にリコールを引き延ばしたかにあるという。

レイモンド氏は、米政府はトヨタへの民事処分を考えているとし、「トヨタとの問題はまだ未解決だ」と強調する。

「実は米国側にも打算がある」と張教授は言及。金融危機を背景に経済的圧力に対応するため、米国は外資系企業に対して規制手段を取り、その市場シェアに打撃を加えて本国メーカーに利益を与え、一側面から再び市場競争に参入させる必要があるというのだ。

ある自動車業界に詳しいアナリストも本紙の取材に対し、リコール事件以降、米国市場で最大の利益を得たのはフォードやフォルクスワーゲンなど米系自動車メーカーだという。リコール事件の影響で、トヨタの1月の米国での販売台数は前年同期比16%減となった。1月は通常、米国の自動車販売台数が伸びる時期にもかかわらず、初めてひと月の販売台数が10万台を切ったのだ。

さらにはトヨタの株価もニューヨーク市場で下落に歯止めがかからなくなっている。アナリストは、トヨタの販売台数の減少は最低3カ月は続くとみている。

一方でトヨタのライバル、フォードやヒュンダイはまさに「漁夫の利」を得て、販売台数をそれぞれ24%伸ばし、日産とフォルクスワーゲンもトヨタの苦境を後目にそれぞれ販売台数を14%と16%伸ばした。

「人民網日本語版」2010年2月4日

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