香港社会では貧富の差が益々拡大している。香港研究協会による新春消費調査で、経済回復により中産階級の収入は増加し消費意欲が増している一方、低所得者は反対に今年も出費を抑える傾向にあるという両極化の結果が出た。同協会は、新たな財政予算案の中で、低所得者をより支援し、社会の貧富の差を改善するよう香港政府に提案した。 香港文匯報が伝えた。
香港研究協会は1月末から2月初めにかけてランダムに電話をかけ、市民1479人へのアンケートに成功した。1479人のうち、自分は低所得者に属するという人は53%、中産階級と高所得者はそれぞれ41%と6%だった。旧正月の消費について、中産階級で新春消費は惜しまないと答えた人は26%、消費を抑えると答えた人は16%にとどまったのに対し、低所得者のうち消費を増やすと答えたのはわずか22%、今年は年越しでも節約すると答えた人は26%にのぼった。それに比べ、高所得者は景気がよく、今年は去年よりも新春消費を増やすという人は40%にのぼった。
お年玉については、中産階級は今年も気前がよく、お年玉を増やす人が20%に達したのに対し、低所得者は13%にとどまり、さらに18%はお年玉を減らすと答えた。高所得者は「福の神」になる人が多く、昨年よりもお年玉を増やすという人は42%にのぼった。
香港研究協会の姚子逸主任によると、市民の旧正月の消費は増える結果となったが、アンケート結果を社会階層別に分析すると、中産階級は今年のお年玉に対し、比較的財布の紐をゆるめ、低所得者は反対に財布の紐を締めることがわかった。新春消費についても同じく低所得者は節約傾向にあり、中産階級は消費を惜しまない傾向にあるようだ。
姚主任は近年、経済の大幅な波動により香港の貧富の差が拡大しているとし、特区政府に新年度の財政予算案の中で、低所得者や社会の弱者層への支援を増やし貧富の差の縮小に努めるよう求めた。
「人民網日本語版」2010年2月9日 |