飲食店を経営する女性、宋さんは北京から上海を訪れ、誕生日の旅行をすることを決めた。彼女はためらうことなく、飛行機ではなく列車を選んだ。その理由はシンプルだ。高速鉄道の方が安く、便利で、快適で、全体でかかる時間が短いからだ。他の多くの中国人もこれに同意する。米ブルームバーグが伝えた。
中国の巨大な鉄道網は日増しに複雑になり、世界を羨ましがらせている。高速鉄道は時速約300キロで都市間を疾走する。中国国家鉄路集団有限公司のデータによると、中国の今年7、8月の鉄道乗客数は同期で過去最多となる8億3000万人にのぼり、欧州の同期の乗客数を遥かに上回った。中国民用航空局のデータによると、航空会社の同期の乗客数は1億3000万人。
宋さんの高速鉄道の旅は4時間余りかかった。終点は上海の中心地に位置し、地下鉄に乗り友人の家を訪問するのに20分かかった。北京発上海行きの航空便は約2時間15分かかるが、郊外にある空港に向かい、チェックイン、搭乗、荷物受け取りなどの長い待ち時間や、悪天候などによる遅延のリスクを考えると、全体的な移動にかかる時間はより長くなる。
中国は2008年の五輪開催時に高速鉄道を導入した。京津都市間鉄道が完成し、営業を開始した。交通運輸部のデータによると、2022年末現在の中国の高速列車は4194本。中国の鉄道営業距離は25年までに16万5000キロに達する予定で、うち高速鉄道は5万キロ。
中国の鉄道はすでに、混雑、騒然、緩慢、悪臭といった長い過去に別れを告げた。高速鉄道は主に中国中車が製造し、通常は2等、1等、ビジネスにランクが分かれる。快適な座席と十分な活動空間がある。予約も簡単になった。高速鉄道の切符は中国鉄路の12306プラットフォームを利用し、オンラインで購入できる。中国公民は身分証をかざせば乗車でき、紙の切符は必要ない。
コロナ後の時代に、列車は中国人客の人気の選択肢になった。業務渡航大手のFCMトラベルの中国区総経理の謝贇氏は、「国内旅行で鉄道を選択する旅客が増える傾向が見られる。列車はほぼ時間を遵守し、遅れが生じることが少ないため、列車での移動の方が効率的とされる。またネット接続も可能で、乗車中に仕事もできる。飛行機ではやや困難だ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年11月24日