この初冬、5日間の第1回中国国際サプライチェーン促進博覧会(サプライチェーン博)が北京で好評開催中だ。本博覧会は「世界をつなぎ、共に未来を創る」をテーマとし、「共に建設し、共に促し、共有する」を原則とし、多くの注目と参加を集めている。現場で見られる業界の経済の活力と市場の旺盛な需要は、現在の回復に苦しんでいる世界経済に好材料をもたらした。今回の盛大なイベントを総合的に観察すると、次の大きな見所がある。
(一)格式が高く、規模が大きい。
サプライチェーン博は世界初のサプライチェーンをテーマとする国家級の展示会で、貿易促進、投資協力、イノベーション集積、学習・交流の機能を一つに集める。高水準の対外開放を促進する新たな窓を設置し、新たな発展構造の構築を支える新たな場を構築し、開放型世界経済の建設を促す新たな担い手を作り、人類運命共同体の理念の新たな実践を切り開く。李強総理が開幕式に出席し、基調演説を行った。
本博覧会の展示面積は10万平方メートルで、出展企業は515社。うち世界トップ500社は53社、中国トップ500社は57社、中国民間トップ500社は25社。
(二)専門性が高く、内容が豊か。
本博覧会は「スマートカーチェーン――移動をよりスムーズに」「グリーン農業チェーン――田園をより麗しく」「クリーンエネルギーチェーン――地球をより美しく」「デジタルテクノロジーチェーン――イノベーションをより普遍的に」「健康生活チェーン――命をよりすばらしく」「サプライチェーンサービスエリア――円滑化をより効率的に」という5大チェーンと1つのサプライチェーンサービス展示エリアを設置。国内外のリーダー企業を招き、その最新の理念、技術、製品、サービスを集中的に展示。分野の区分は科学的かつ明晰で、専門性が極めて高い。
また大会は6回の特別フォーラムを設置し、国内外の業界組織と業界主管部門の責任者や著名専門家・学者を招待した。人々は世界の産業チェーン及びサプライチェーンの安定と円滑を守るため案を掲げる。
(三)国際色豊かで、出展企業の影響力が大きい。
本博覧会の出展企業は国際色豊かで、海外出展企業は132社と全体の26%を占める。主に米国、日本、英国、ドイツなどの55の国と地域から出展。またアフリカ連合とアラブ連盟という2つの国際機関が出展。出展企業のうち、テスラ、アップル、スターバックス、フェデックス、みずほグループ、アストラゼネカ、ボッシュなどの世界トップ500社は53社で、業界の主流を代表し、世界的に大きな影響力を持つ。これは中国のサプライチェーン及び産業チェーンの重要性と中国市場の魅力を力強く証明している。
(四)出展企業が展示を重視し、十分に準備した。
本博覧会の各大展示館では展示ブースの設置が斬新で、出展企業は各種デザインと技術をフル活用し自社の強みをアピールし、博覧会と来場者への重視を示した。印象的だったのは日系の艾傑旭(中国)投資有限公司の展示ブースだ。AGC(艾傑旭)は100年以上の歴史を持つ世界2位のガラス製品企業で、主にガラス、化学、電子、セラミックの4大事業を展開する。今回は「スマートカーチェーン」の出展企業として、主に自動車用ガラスの材料設計及び開発・利用面の技術革新を展示。展示ブースは中空の車枠のようで、青色のライトで輪郭が浮かび上がり、簡潔だが人目を引き未来感が溢れる。車枠の中では各技術内容が詳細に展示。来場者は「車」の中に入り細かく観賞できる。
(五)海外出展企業は中国のサプライチェーンシステムを高評価し、中国を立脚点とし世界に向かうことに自信を深めている。
中国には高い製造能力、巨大な市場規模、発達したサプライチェーンネットワーク、産業チェーンの集積効果がある。これを受け出展企業はこぞって、中国を重要なサプライチェーン協力パートナーと生産拠点にしようとしている。先進的な冷蔵・冷凍技術を持ち、初めて中国市場を訪れ提携先を模索する株式会社MARS Companyの大野正樹代表取締役は取材中、「会場を訪れて初めて、多くの世界レベルの製造メーカーが集まったことに気づいた。活気づく雰囲気により中国が力を持つ国であり、流石は世界のサプライチェーンの中心であると強く実感した」と述べた。処方薬の研究開発、生産、マーケティングに専念し世界をリードする製薬会社アストラゼネカの王磊グローバル執行副総裁は、「当社はサプライチェーン博を通じ、各方との交流をさらに拡大し、中国現地パートナーの間で注目度を高め協力を強化したい。中国の産業の強みで世界のチャンスをつなげ、多元的なグローバルイノベーションヘルスケアエコシステムを構築する」と述べた。
(六)来場者が多く、専門的で実務的だ。
予想によると、第1回サプライチェーン博のバイヤーと来場者の人数は10万人を超える。海外バイヤーは50以上の国と地域を網羅。出展企業の多くはバイヤーでもある。取材では、来場者が目的と使命を帯びて来たことが感じられた。日本国家展示エリアでは、河北省曹妃甸市免税区企業誘致部門の黄氏が出展企業に中国市場開拓の計画について詳細に問い合わせ、その進出に歓迎の意を表した。
ある展示会の成功は、最終的に主催者側の調整力、参加者側の活気、来場者の満足度などの各方面の評価によって考えるべきだ。サプライチェーン博はその高い格式、専門性、豊かさによって国内外企業に交流と協力の理想的な場を構築した。サプライチェーン博は産業チェーン及びサプライチェーンの協力の新たな局面を切り開き、積極的に世界の産業チェーン及びサプライチェーンを安定、安全、円滑に向かわせることだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年12月1日