各国の中央銀行による金購入などの多くの要素からの影響を受け、金相場は2023年に堅調に推移した。先物価格を見ると、ニューヨーク商品取引所（COMEX）の金先物価格は通年で13.45％上がり、年間としては20年以降で最大の上げ幅となった。国際金価格は昨年12月1日に1オンスあたり2100ドルの大台に乗り、一時過去最高の1オンスあたり2152.3ドルにのぼった。

　2024年を迎え、市場では金価格上昇に期待する観点が主流となっている。「証券日報」の取材に応じた複数の専門家は、金価格は24年に記録を更新するかもしれないと述べた。

　領秀財経の劉思源チーフアナリストは、「米連邦準備制度理事会（FRB）の利下げの予想が強まる中、金は24年の年初に記録を更新するチャンスがある。下半期についてはFRBが予想通り利下げに踏み切った後に空売りが再び行われる可能性がある。そのため金価格は通年で、勢いよく上がってから落ち着く流れを示すとみられる。世界の地政学的リスクが尾を引く中、金のリスク回避の属性が依然として強い。世界の中央銀行は24年も金の購入を維持し、市場に大量の現物の需要をもたらすだろう」と述べた。

　Windのデータによると、ドルインデックスの23年の下げ幅は約2.04％で、20年以降で最大の下げ幅となった。これは同期の国際金価格高騰とは対照的だ。

　財信証券は研究報告書の中で、「FRBの本ラウンドの利上げはすでに終了した可能性がある。米国の金利は比較的高い水準で留まった後に転機を迎えるだろう。ドルインデックスと米国債実質利回りが低下し、金価格が反転上昇する。これに現在の欧米の主要エコノミーの衰退の顕在化が加わり、中長期的に金価格の高騰に期待できる」と記した。

　海南大学「一帯一路」研究院院長、シルクロード智谷研究院院長の梁海明氏は、「FRBの利下げの他に、世界各国の選挙、世界の地政学的リスク、世界の完全に終わっていない物価上昇などが金価格の再上昇を助長し、1オンスあたり2200ドル、さらには2300ドルにチャレンジする可能性がある」と述べた。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2024年1月3日