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広州の「製衣村」で、中国経済のモデル転換を実感

中国網日本語版  |  2024-02-22

広州の「製衣村」で、中国経済のモデル転換を実感。

タグ:広州 製衣村

発信時間:2024-02-22 15:06:32 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 中国社会では「服が被る」という流行語があるが、春節を祝う動画を見ると無数の中国人が楽しそうに新年を送っているが、「服が被る」人が非常に少ないことが分かる。

 卓球米国代表は1971年4月に広州市を訪れた。彼らがまず目にしたのは、中国人が藍色もしくは灰色の服を着用し、同じような自転車に乗っている光景だ。ところが今日、中国人のファッションには激変が生じている。

 中国は依然として世界最大のアパレル製造国の地位を保っている。アパレル市場は多元化し、個性的になり、目まぐるしく変化している。これは中国経済の最大の変化の一つでもある。筆者は春節中、広州市の「製衣村」と近くの国際軽紡城を訪れた。多くの店が年越しで閉店しており、「製衣村」で仕事・生活する人々も帰省していた。ところが村全体と市場の規模を見ると大きな衝撃を受けた。

 中山大学南キャンパス付近の康楽村は大規模な「製衣村」で、1平方キロメートル弱の土地に1万軒を超える小型縫製工場がひしめき合う。付近の軽紡城は4000店以上で、主に紡績品の生地と補助原料の卸売を行う、アジア最大の紡績品卸売市場だ。ここで働く労働者の多くが湖北省出身だ。彼らは技術を理解し、勤勉で、変化に対応できる。通常は24時間内に少額の注文に対応する。この驚異的な出荷ペースは、小ロットへの対応により高評価を受ければ追加発注を受けられるという、サプライチェーンのモデルを支えている。

 当然ながらこれには周辺の整った関連サプライチェーンやネット通販サイトと、全国や世界に届ける物流のサポートが必要だ。この整った生産体制は長年に渡り、中国の主要製品である紡績品を世界に届けている。一部の中国アパレルメーカーは生産コストの高騰により他の国や地域にシフトしているが、広州のこの衣料品生産モデルを移すことはできない。世界ではこれを「コピー」できる国や地域が存在しない。

 「製衣村」の最も大きな強みはその柔軟性で、世界各地の衣料品に対するさまざまな需要に適応でき、3-5着だけであっても受注できる。米メディアは以前、次のように報じた。米国の多くの若い女性は毎週パーティーに参加し、毎回違う服を着なければならず、他人と被ることを嫌がる。コストパフォーマンスが高く変化のある衣料品はネットで購入するしかなく、さらに早く届けて欲しいならば中国の衣料品メーカーしか対応できないというのだ。

 「城中村」の生存環境は常に現地政府の懸案だ。この生産モデルを維持した上で、労働者の生活・生産環境を改善し、生産の質を全体的に高めるにはどうするべきか。広東省にはすでにそのプランがある。計画によると、この一帯の城中村は改修される。生産体制全体を広州から北に70キロ以上離れた、新たな生産拠点を構築済みの清遠に移す。政府は最低月給8000元を保証する補助制度を採用。団地では同時にトレーニングを実施し、未経験だがアパレル業界に入り生産技術を学びたい労働者を集め、3年で20万人の縫製技術者を育成する計画だ。

 このような大規模な移転は成功するだろうか。ある人はこれを「心臓移植」と例えている。1軒の小さな工場の移転は1世帯の移設だけではなく、生産チェーン、サプライチェーン、物流なども含まれ、一つの体制を再構築する必要がある。広州の衣料品業界で生じている変化は、中国経済の高度化の難易度を示している。多くの中小商品の生産で、中国は似たような挑戦を迎えている。

 高品質発展は半導体などの進展だけではなく、これらのミドル・ローエンド製品の生産の高度化・更新でもある。しかも中国衣料品業界の、国際市場で変化に対応する能力を保たなければならない。世界で服が被ることを嫌う消費者が増えているが、これが中国のアパレル製造業に大きな発展のチャンスを与えることに注目すべきだ。(筆者=丁剛・人民日報高級記者)

 「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年2月22日

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