「全国のどの観光地にも1億人いるよう」。これは、多くの人が感じた清明節連休の観光状況である。
3連休の盛況ぶりは中国経済回復の縮図の1つと言える。さらに、先日発表された購買担当者景気指数(PMI)は拡大区間に戻り、輸出入は過去同時期の最高を更新するなど、多くのデータが消費、生産、貿易の活性化を示し、中国経済好調の勢いを映し出した。
文化観光部の統計によると、3連休の全国の国内旅行者数は延べ1億1900万人で2019年同期(比較ベース統計)より11.5%増加、国内旅行消費は539億5000万元で同12.7%増加した。
観光地はどこも混雑し、泰山、天水伏羲廟、龍門石窟など多くの観光地が入場制限を通知した。交通運輸部は、清明節連休の地域をまたぐ人の移動は延べ7億5283万6000人に上ると予想した。
PMI指数は経済状況を判断する先行指標で、50%が臨界点となっており、50%以上は経済拡張を示す。国家統計局の統計によると、3月は企業の春節後の操業再開の加速に伴い、市場が活性化され、製造業PMIは50.8%に回復し、拡張区間に戻った。
これにより、3月の3大指標(製造業PMI、非製造業ビジネス活動指数と総合PMI産出指数)はいずれも拡張区間となった。国家統計局は、企業の生産経営活動は加速し、中国の景気は回復すると分析している。
生産が持続的に活性化し、企業の利益も好転している。1~2月の全国の一定規模以上工業企業の利益は前年同期比で10.2%増加し、利益は前年の年間2.3%減からプラス成長に転じた。中国物流情報センターの専門家の文韜氏は、3月の製造業PMIが5カ月連続の50%以下から拡張区間に戻ったことは、経済運営の限界が改善され、大幅に回復していることを示すと見ている。
シンガポール紙『聯合早報』ウェブ版は、最新のPMIデータが臨界点を上回ったことは、中国経済が新たな成長の原動力を見つけ、不動産に頼らない拡張区間に入ったことを表すと論じた。
貿易の良し悪しは中国経済に直接関わる。グローバル経済は不確定に満ちているが、中国の貿易は変化の中で確定性を示した。今年1~2月の貿易額は6兆6000億元で、過去同期の最高を記録。税関総署は、この2カ月間の規模は20年前の中国の1年間の貿易額に相当するとした。
中国民生銀行のチーフエコノミストの温彬氏は、全体的に見て、1年の初めの経済回復の勢いは予想を上回り、第1四半期の経済成長率は5.0%前後になり、年間目標達成の良好な基礎を打ち立てるとの見解を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年4月8日