人工知能(AI)の利用激増の最大の受益者であるエヌビディアは、長年に渡りウォール街で時価総額トップだったアップルを間もなく抜き、時価総額世界2位の企業になる可能性がある。ロイター通信が5月31日に伝えた。
ほぼすべてのAIアプリ(OpenAIのAIチャットサービス「ChatGPT」など)がエヌビディアの高級半導体を必要とする。エヌビディアの株価は1年で2倍弱に上がり、時価総額が2兆6800億ドルにのぼった。
その一方でアップルは今年、時価総額首位の座をマイクロソフトに譲り渡した。かつて一世を風靡したアップルは、iPhoneの需要の疲弊と中国市場での競争の激化に対応している。その最新の時価総額は2兆9200億ドル。
ザックス・インベストメント・リサーチのポートフォリオマネージャーのブライアン・マルベリー氏は、「これは当然ながら注意すべきだ。アップルが長期的に、特に成長とイノベーションの面で主導権を握ってきたからだ。しかしアップルのイノベーション・カーブは最近平らになったようだ。これは未来の成長が緩慢になることを示す」と述べた。
マルベリー氏はさらに、「その一方でエヌビディアは成長を続けられる。当初はゲームの需要から始まり、そこから暗号通貨、そして現在のAIと続いた。エヌビディアはイノベーションと需要をパーフェクトにマッチさせることができる。これは爆発的な成長を意味する」と続けた。
この半導体メーカーはS&P500とナスダック指数で大きなウェイトを占め、米国の株価更新の面で重要な力を発揮している。エヌビディアは今年、S&P500の上げ幅の3分の1以上に寄与している。
エヌビディアはさらに時価総額1兆ドルから2兆ドルになったペースが最速の企業でもあり、アマゾン、アルファベット(グーグル親会社)、サウジ・アラムコを抜いた。
約1年前に急成長の業績予想が発表されてから、同社の売上と利益はウォール街の高い見積もりを軽々と超えている。大型テック企業がAI導入を急ぐ中、そのグラフィックプロセッサへの需要が供給を大きく上回っている。
エヌビディア株の急騰後、オプショントレーダーは同社株、特にオプションの高騰に期待している。データによると、5月30日には5日連続で100万枚を超えるエヌビディアのコール・オプションが取引された。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年6月3日