中国税関総署がこのほど発表したデータによると、中国の人民元建ての輸出額は前年同月比11.2%増で、ドル建てでは同7.6%増と、伸び率が4月を上回った。復数の外資系金融機関は、中国製品の世界的な競争力の向上、外需の改善、昨年同期の低い基準値などを受け、中国の5月の輸出は予想以上の伸び率を示したと回答した。今後数カ月も成長の流れが続くと予想した。
輸出先を見ると、中国の5月の米国、EU、ASEAN、ブラジルなどへの輸出は前月よりやや好転した。ドイツ銀行中国区チーフエコノミストの熊奕氏は、中国の輸出は5月に再び高い強靭性を示し、特に中国のASEAN及びラテンアメリカへの輸出が好調だったと観察している。
JPモルガン・チェース中国チーフエコノミストの朱海斌氏は、「中国の輸出は予想以上に好調だったが、これは中国による近年の輸出先の多様化と関係している。従来の中国の輸出先のうち、米国、欧州、日本などの先進エコノミーが中心だったが、現在は新興エコノミー、特にラテンアメリカ、アフリカ、ASEANなどの割合が持続的に上がっている」と述べた。
輸出構造を見ると、中国の輸出品は質が上がり、新型化している。ハイエンド化、スマート化、グリーン化の製品の輸出が好調だ。1-5月に技術力と付加価値が高い機械・電機製品が輸出に占めた割合は6割弱。船舶の輸出額は100.1%増で、電気自動車は26.3%増、家電は17.8%増。
DBS銀行中国チーフエコノミストの紀沫氏は、「世界の電子製品の需要が今年に入り底打ちし、中国の電子製品の輸出加速をけん引している。一部の中小の輸出業者を重点観測対象とする先行指標によると、世界の中国製品の需要が拡大中だ」と述べた。
野村中国チーフエコノミストの陸挺氏も、中国の輸出の持続的な好転に期待している。「中国製品は競争力が高い。前年の基準値が低かった効果も加わり、当社は中国の今年通年の輸出増加率の予想値を0.7ポイント上方修正した」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年6月14日