航続距離が長く割安であるため、エンジンで充電できるハイブリッド車(HEV)が中国のドライバーの間で新たな寵児になっている。HEVの一種であるレンジエクステンダーEVには小型内燃機が搭載されており、外部の電線で充電できるだけでなく、内燃機の電力を利用し電池の充電が可能だ。香港紙「南華早報」が伝えた。
蘇州市の専用バッテリーサプライヤーの重役であるデイヴィス・チャン氏(音訳)は、「レンジエクステンダーEVは一回の充電で通常1000キロ走行でき、販売価格はEVより約1割安い。1台の購入で平均3万元節約できる計算だ。中国の大半の主要EVメーカーは自らすでにレンジエクステンダーモデルを開発中か、その計画を発表済みで、増加を続ける消費の需要を満たそうとしている」と述べた。
上海のアナリストの高申氏(音訳)は、「これは中国EV産業の重大な転換期だ。10年前に市場の将来性が低かったため、すべての主要自動車メーカーがレンジエクステンダー技術を敬遠していたが、今や中国人消費者の間でレンジエクステンダーEVの人気が上がっているため、大多数のメーカーが開発の面で間を取っている。ただしEVは依然として業界の未来になる可能性がある」と述べた。
中国汽車工業協会が発表したデータによると、自動車メーカーが昨年、中国国内の市場で交付したレンジエクステンダーEVは前年比173%増の62万7000台で、中国新エネ車市場の2.9%を占めた。全国乗用車市場情報連席会のデータによると、中国市場で先月交付されたレンジエクステンダーEVは11万7000台で、中国新エネ車市場の10.4%を占めた。
上海の自動車ディーラーの販売責任者である趙震氏(音訳)は、「レンジエクステンダーEVを選ぶ購入者が増えている。割安で航続距離が長いためだ。充電インフラにまだ改善の余地が残されていることから、特に農村部での販売が今後さらに活況を呈する」と述べた。
過去2カ月で少なくとも3社の中国自動車メーカーが、レンジエクステンダーEVを製造する野心を示した。極氪は8月に、初のHEVモデルを設計・製造すると表明した。阿維塔も同じような計画を進めている。小鹏は自社初のレンジエクステンダーモデルを開発中だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年10月23日