中国深宇宙探査実験室(安徽省合肥市)でこのほど、初の月面煉瓦(レンガ)製造装置の開発が成功した。この装置は集光型太陽エネルギーを利用して月の土(月レゴリス)を溶融・成形する。将来的に「月の資源で月の住宅を建設」という技術の中核をなす。
研究室では現在、技術者らが装置の最終調整を進めている。未来技術研究院の楊洪倫エンジニアは、「月レゴリス煉瓦の開発は重要な一歩だが、月面での本格的な建築実現には依然として多くの技術的ハードルが存在する」と指摘する。
月面の超高真空・低重力環境下では、月レゴリス煉瓦だけでは居住構造物を構築できない。楊氏によると、煉瓦は主に遮蔽機能を担い、「剛性構造モジュール」や「軟質エアバッグ式居住モジュール」と組み合わせることで初めて月面住宅が完成するという。
この目標達成には次の3段階を踏まえる必要がある。(1)さらなる中核技術の研究開発。月レゴリス煉瓦製造、建築構造部品構築、建築物構造評価など一連の技術的ブレイクスルーと全プロセス実証の達成。(2)宇宙工学ミッションを通じた実証。月レゴリス煉瓦製造装置及び建設作業の月面実環境下における技術実証の完了。(3)居住用耐気圧モジュール船室区画の開発、ならびに月レゴリス煉瓦製造装置および月面作業ロボットとの連携作業による完全な月面建築施工システムの形成。これをもって最終的に住宅建設を完成させる。
技術開発が進むにつれ、「月の資源で月に建物を建てる」という人類の夢がSFから現実へと移行しつつある。このレンガ製造装置こそが、月面建築への道を拓く最初の礎石となるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年7月28日
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