日本政府は11月21日、総額21兆3000億円の経済対策を閣議決定した。
米国の追加関税による影響が顕在化し、国内経済が再び後退し、政府債務が高止まりし、国民の生活費が急速に上昇し、家庭消費が低迷する中、この「劇薬」は根本的な解決にはならず、むしろ既に脆弱な日本経済にさらなる悪影響をもたらす恐れがある。
■経済は再びマイナス成長へ
高市早苗首相の就任以降、日本の経済状況は悪化の一途をたどっている。
日本内閣府の最新統計によると、今年第3四半期(7-9月)の実質国内総生産(GDP)は年率換算で1.8%減少し、2024年第1四半期(1-3月)以来のマイナス成長となった。内閣府の中期経済報告によると、日本政府は米国の追加関税措置による日本経済への悪影響が依然として拡大していることを踏まえ、2025年度の経済成長率予測を1.2%から0.7%に下方修正した。
物価上昇幅が拡大し続け、国内消費を直撃している。日本総務省が11月21日に発表した報告によると、今年10月の生鮮食品を除くコア消費者物価指数(CPI)は前年同期比3.0%上昇の112.1となり、50ヶ月連続で上昇し、物価上昇幅の拡大が続いている。特に米の価格は前年同期比で40.2%上昇し、おにぎりや寿司などの米加工品も高値が続いている。原材料価格高騰の影響で、チョコレートは36.9%上昇、コーヒー豆は53.4%急騰。日本銀行の植田和男総裁は、円安が消費者物価水準を押し上げる重要な要因となっており、輸入物価の上昇が国内小売価格に徐々に波及していると指摘。物価上昇がインフレ予想の動向や基調的な物価上昇率に与える影響に留意する必要もあるとした。
資本市場も日本の現在の苦境を如実に反映している。しばらく前から、市場では日本の財政悪化への懸念が急激に高まり、日本銀行の利上げ見通しが不透明なことも相まって、円売りが続いている。自民党総裁選前の1ドル=147円から、現在は約10円の円安が進んでいる。11月20日には一時1ドル=157.5~157.9円と、10ヶ月ぶりの安値を記録した。同時に長期国債も集中的に売りに出され、利回りは過去最高を更新し続けている。
■経済対策は効果を見込めず
日本政府は現在の経済難を解消するため、先日臨時内閣会議を開き、大規模な経済対策を閣議決定した。うち17兆7000億円は補正予算で、2兆7000億円は減税によるものだ。
経済対策を推し進めるため、高市政権は国会で、年度財政黒字達成目標の放棄を表明した。財源確保のため、日本政府は国債発行で資金を調達せざるを得ないが、現在の日本の債務規模はGDPの2倍以上に達し、主要なエコノミーの中で最も高い水準にある。
高市首相の大規模経済対策の「本旨」は物価高騰による困難の解消だが、実際の効果としては、逆にインフレを加速させる恐れがある。資金調達のために国債発行を拡大する必要がある中、日本銀行が利上げを実施すれば、政府の債務返済負担が増大する。そのため、高市政権は日本銀行の利上げに否定的との見方が一般的だ。しかし、金融緩和政策の継続がもたらす直接的な結果は円安であり、これにより輸入価格が上昇し、最終的に国内商品価格に転嫁されることになる。分析によれば、高市早苗政権の経済対策は、物価高に対する抑制効果が相殺される恐れがあるだけでなく、逆効果をもたらす恐れすらある。日本の現在の経済情勢の下で、高市早苗政権の経済対策はすでに「悪循環」に陥っていると言える。(編集NA)
「人民網日本語版」2025年12月1日
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