第140回中国輸出入商品交易会(広交会)が2026年10月15日から11月4日まで、広州市で3期に分けて開催されています。第1期の会場では、AIが貿易ビジネスにもたらす変化が大きな注目を集めました。
現場の貿易関係者からは、AIの役割が従来の情報収集から、事前交渉の代行といった段階まで広がり、業務効率が大幅に向上したとの声が上がっています。一方で、AIの活用により真偽確認やコンプライアンス対応などのコストも増加しています。AIをいかに活用し、その効果を十分に引き出すかが活発に議論されています。
複数の外国人バイヤーは、広交会への参加に先立ち、ChatGPTやGeminiなどの大規模言語モデル(LLM)に調達や参加に関するアドバイスを求め、調達可能な商品を確認したと語ります。アルゼンチンのコンサルティング企業、SINA SOLUTIONSの中国地域購買担当者は、「以前は1日に3社のサプライヤー資料しか確認できなかったが、AI貿易アシスタントの活用で1日に30社分を確認できるようになった」と述べています。
サプライヤー側にとっても、AIはグローバル展開を後押しする存在となっています。広州市のネットワークテクノロジー企業で海外事業を率いる担当者は、AIを活用して多言語コンテンツの制作、広告配信、ユーザーの反応や評価の分析を効率化しているほか、海外市場向けに24時間体制の多言語カスタマーサポートを提供し、急速な市場拡大を後押ししていると語りました。
AIにより効率は上がったものの、業務量は減っておらず、導入段階はコスト削減にも直結しないというのが参加者の共通した実感です。AIは成果物を生み出すことには長けていますが、その内容に責任を負うことはできないため、検証作業は依然として人間が担う必要があります。あるB2Bプラットフォーム企業は、画像や動画をAIで低コストに加工できるようになったことで、かえって現場での実物確認が重要になったとして、このほど人の手による検品および検査の専任部門を立ち上げたことを明らかにしました。
クロスボーダーECの関係者は、製品面ではAIが海外向け製品のスマート化を後押しし、運営面では製品開発やデータ分析の効率を高めると指摘します。総じて、関係者らは手探りで模索を続けているものの、人間洞察力や経験こそが不可欠であり、AIに取って代わられることはないと捉えています。
「中国国際放送局日本語版」より 2026年10月23日
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