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風雪を凌いで咲き乱れる牡丹
発信時間: 2008-01-28 | チャイナネット

 

 

牡丹は中国で昔から「花の中の王者」と呼ばれ、高貴、幸福、吉祥、繁栄のシンボルとされてきた。春に咲く牡丹だが、栽培技術の革新により冬にも咲く品種が作られている。27日、鄭州で開催された洛陽牡丹の展示販売会では、風雪を凌ぐ牡丹が披露された。

「チャイナネット」2008年1月28日

 

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天香国色-花の皇帝ボタン

古来、ボタンは最も高貴な花として人々から愛されてきた。古い記録によれば、唐の時代、内宮でボタンの花を観賞していた文宗皇帝が大臣に、長安で詠まれたボタンの詩で誰のものが最上かとご下問になったとき、左右の者が中書の舎人・李正封が詠んだ「天香夜染衣、国色朝酣酒」を挙げた。文宗帝はこれをお聞きになって深く感嘆されたという。これにより「国色天香」と称されるようになり、百花の皇帝となったのである。

ボタンは、中国では昔から幸福、高貴、吉祥と繁栄のシンボルとされ、その種類は赤、緋、緑、藍、青、紫など、濃淡様々な色と香りによって数百種に分けられる。

ボタンの香りは概して淡いものだが、紫色のものが最も濃厚で、白いものは甘く、黄色や薄紅色のものは清らかな香りがするとされる。そのため、愛好家の間では、「香りをかいだだけで、その花の色や形を知ることができる」とさえ言われている。

ボタンの魅力はその周囲を明るくするような艶やかさにある。花ばかりでなく、茎や枝も太さに変化があり、枝葉の茂り具合も自然でバランスがよく、季節の移ろいに随って色を変え、目を楽しませてくれる。

しかし、中国人がボタンをことのほか愛するのは、やはりその上品さ故だ。「春に咲かせる花は絵のように美しく、夏の葉は洗ったように清浄で、秋の枝は鉄のように力強い。また、冬の雪によく耐える新芽は梅のようでもある」と、ボタンを称えた詩人もいた。

天下の霊気を集めたボタン、天下の人々から愛されるボタン。ボタンは中国の文学や芸能でもしばしば重要な題材として取り上げられ、歴代王朝の皇帝もそれぞれの宮廷や離宮、御苑でこの花を栽培させている。

その始まりは、隋の煬帝が河南省の洛陽に200ムー(約14ha)の土地を開いて造った西苑で、煬帝はここにボタンをはじめ全国各地の有名な花木を植えさせた。その後の王朝でも拡張と栽培が引き続き行われ、洛陽城の周囲は花園で取り囲まれ、そのすべての花園でボタンが栽培されるようになった。当時の洛陽では、ボタンが満開になる晩春になると、一般庶民から高位高官の者まで、一人残らずボタンの花見に出かけた。特に当時の新種「姚黄」は洛陽城下でも年に3、4輪しか咲かない大変に珍しいもので、この花が咲いたと聞くと、洛陽の老若男女はこぞって見に行ったと伝えられている。

唐の都の長安では、玄宗皇帝がボタンの栽培に長じた宋単父を洛陽から呼び寄せて、驪山の御苑で優良種のボタンを栽培させた。単父が栽培したこのボタンは早いうちに、民間でも栽培されるようになり、毎年その季節になると長安城は花見で大いに賑わい、開花期の20日間は、長安の人々はこの花に熱狂したと詩にも詠まれている。

ボタンを愛し、花見に浮かれることは、何も長安、洛陽に限ったことではない。ボタンを観賞することは中国人にとって春の重要な行事の一つで、今日までにすでに1500年以上の歴史が重ねられている。ボタンに対する愛着は現代に至ってもなお衰えず、書画、刺しゅう、彫刻、歌の伝統芸術はもちろん、写真などの新しいジャンルの創作活動でも題材に取り上げられており、ボタンは以前にも増して中国人の生活により深く広く根付くようになった。また一方では、品種改良と国際交流によって、海外にも愛好家を増やしているのだ。

ボタンの名所は全国各地にあるが、なかでも洛陽、荷沢、彭州、銅山、塩城、臨夏、北京が最も有名である。例えば、甘粛省の臨夏はチベット族の多く住む漢族の文化圏外であるにも拘らず、ほとんどの農家がボタンを栽培しており、シーズンになるとどの家でも庭を開放して自慢のボタンを公開する。親切な村人は、見知らぬ相手であっても客が来れば必ずお茶でもてなし、遠方から来たと聞けば、更にお酒つきの食事にまで招待してくれるという。このように互いに花を楽しみ、特に珍しい品種や、多く花を咲かせた家には村中から惜しみない賛辞が送られるのだ。北京では、ボタンの花見は専ら公園や公開されている史跡など公共の花園で行われる。故宮の御花園では、歴代王朝のボタンの栽培形式と観賞のしきたりが見られ、北京植物園では珍しい改良種を野趣に満ちた環境の中で鑑賞できる。また、景山公園は、漂う彩雲のように一面に広がる大ボタン園で知られている。どの公園であれ、最初の1輪が咲いたそのときから人々が殺到する様は、「花は海の如く、人は潮の如く」で、昔日の長安や洛陽の熱狂振りを彷彿させる。昔の詩人が「ボタンこそ国一の美女であろう、花が開けば都を動かす」と詠んだのも無理からぬことなのだ。

「中国画報」より 2008年1月28日

 

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