5.12四川大地震発生後、世界的な難題として地震の予知に再び注目が集まるようになった。
ガスセンサーの開発で有名な中国地質大学の王維煕・教授率いる研究チームがこのほど、「高感度水素地震感知器」の開発に成功。この地震感知器は国内のいくつかの地震台や地震ステーションで試用した後、国家地震局の専門家チームによる評価が行われ、応用・普及につなげていく考えだ。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
王教授は「この地震感知器の最大の特徴は水素の測定感度が現在常用されている装置の100万倍以上にあたる、1千億分の1にまで高まったことだ。水素が現在地震予知の中で最も感度の高い化学物質の1つであることは世界で公認されてる。このため、この装置は将来地震予知の分野で一定の効果を発揮する可能性を秘めている」と話す。
地震発生の予報は依然として世界的な難題だ。地震の震度と時間を正確に予知するのは今のところ不可能だ。海外の地震学専門家は地殻下層部にある塑性岩石か蛇紋石が地殻上層部の亀裂に漏れ出すと地震が発生すると考えている。こういった滑りやすい蛇紋石は鉄とマグネシウムが豊富に含まれる鉱物が水に反応して生成するもので、この生成過程で水素が発生する。この層が一旦断裂すると、水素は断層の切れ目から漏れ出し、空気中の水素濃度が急増する。「地震発生10~40日前に突然、水素濃度が増大し、最大で正常の数万倍に達する」と王教授は説明する。
この装置を使えば、トランジスタを測定の必要な環境に置くだけで人員を配置する必要はなく、リモコンで窒素含量を測定でき、地震の予知・予報の運営コストを大幅に削減することができるという。
「人民網日本語版」2008年9月2日 |