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自転車王国は記憶のなかに
発信時間: 2008-10-17 | チャイナネット

 

北京の故宮。ブランド車「紅旗」にお目にかかれることは少なかった。写真を撮る観光客ら

 

 

河南省霊宝県の農民が自発的に組織した「農村オートバイレース」。80年代、改革の進展に伴って農民の生活は豊かになり、多くの家庭が自転車の代わりにオートバイを購入するようになった

 

 

90年代以降、オートバイや乗用車が徐々に家庭に浸透していく。それでも自転車はやはり通常の交通手段だったが、余り利用されることはなくなった。自転車1台の値段は当初、大半の人の3カ月分の賃金に相当、今では一般ホワイトカラーの月給の10分の1だ。都市の面積が拡大するにつれ、自転車では遠距離が大変になったことから、人びとはさらにスピードや快適さを選ぶようになり、それによって最適な乗用車が交通手段となった。「自転車の大海原」の時代は過ぎ去ったとはいえ、自転車は姿を消してはいない。

 

自転車の生産は日進月歩で、折り畳み式、ギア付き、電動式と絶えず新製品が出てきた。都市の交通渋滞や上がり続けるガソリン価格から、廉価で環境を保護し、健康にプラスとなる手段として、自転車は依然として独特の強みを持つ。自転車のより多くの利用を奨励し、排ガスやエネルギーの消耗を減らそうと、北京や杭州などでは「公共自転車」政策を実施。デポジットを払えば、その場で借りた自転車を、別の場所で返すこともできる。公共自転車は今、世界的な流行で、パリやソウルなどが積極的に推進している。

 

自転車は今や、交通手段、都市交通にとって有益な補完手段のみならず、自然に親しむ、環境を保護する、健康でグリーンな活動の「符号」ともなっている。自転車は過去の交通手段などではなく、自然への回帰と時代の進歩を象徴する「新しい趣味」でもあるのだ。

 

「チャイナネット」2008年10月17日

 

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