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恋に落ちる三蔵法師、中国文化の海外での「異化」
発信時間: 2009-02-20 | チャイナネット

仏教を信じ非常にまじめな三蔵法師が、観音菩薩と恋愛したり、女性になって弟子の孫悟空の気を引くという、中国人なら絶対に想像できない『西遊記』が、日本や欧米のドラマで展開している。

この数年、海外では、中国の物語を改編したり新しく作り直しており、特に奇妙な登場人物や変化がある展開の『西遊記』は、とても人気がありよく改編されている。

 

三蔵法師は美しい女性?

日本では今までに何度もドラマや映画化されてきた『西遊記』だが、三蔵法師を演じるのは必ず坊主頭の美しい女性だ。

その他のキャラクターも、中国人のイメージからは程遠い。孫悟空は雲の代わりにスケートボードを使い、太っている猪八戒は妙に細く、温厚だが頭がよく回らない沙悟浄は頭が切れる。

これだけでない。三蔵法師たち一行が泊まる場所は必ず畳が敷かれている。しかし女性たちが着ているのはチャイナドレスだ。

欧米版の『西遊記』はさらに原作からかけ離れており、三蔵法師はかっこいい米国人で、なんと観音菩薩と恋に落ちる。多くの中国人はこうした改編に対してでたらめでばかばかしいと思いながら、中国伝統文化の海外での「異化」に気をもんでいる。

 

中国への理解不足が原因

海外での中国文化の「異化」や「変形」は、上記のような改編以外にも、中国の文化を理解していないことにも原因があり、それは翻訳からも分かる。

例えば『水滸伝』のタイトルの英訳は、「Outlaws of the Marsh」(沼地の無法者)「All Men are Brothers—Blood of the Leopard」(みんな兄弟-ヒョウの血)、「Water Margin」(水辺)などは、原作の意味を汲んで訳されたものは一つもない。

『西遊記』『紅楼夢』『三国演義』は直訳が多い。『西遊記』は「Record of a Journey to the West」(西行録)、「The Story of the Pilgrimage to the West」(西遊物語)、『紅楼夢』は「A Dream of Red Mansions」(豪華な赤色の部屋の夢)、『三国演義』は「Three Kingdoms」(3つの王国)だ。

意訳のタイトルもあるがどうもしっくりしない。『西遊記』では孫悟空が一番注目のキャラクターのためか、「Monkey」あるいは「The Monkey King」と訳しているものもある。

 

中国文化の海外での「異化」を解消するために

なんとも奇妙なタイトルだが、内容の翻訳はまずまずだ。しかし中国語の中には翻訳できない名詞も多いため、自国の言語に翻訳できず、しかたがなく音訳で表している場合も多い。

「Kongfu」(カンフー)、「chipao/qipao」(チャイナドレス)、「Confucius」(孔子)、「I Ching」(易経)、「Sun Tzu」(孫子兵法)、「mahjong」(マージャン)、「tofu」(豆腐)、「Feng Shui」(風水)などの「新語」は、中国映画の海外進出や中国ブームで英語の辞書にも収録されるようになった。

中国文化の海外での「異化」を解消するために必要なのは、まず中国文化を海外の人たちによく説明し理解してもらうことだ。ほんとうに中国文化を理解すれば、三蔵法師が恋に落ちることは二度となくなるだろう。

 

「チャイナネット」2009年2月20日

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