英Speedo社が北京五輪前に発表した新型のスイムウェア「レーザー・レーサー」が業界に革命的変化をもたらし、米国の競泳選手・フェルプスがこの「革命的スイムウェア」を着用して同五輪で金メダル8個を独占した。また、日本代表の北島康介らも金メダルを獲得、日本水泳連盟は国内各メーカーとの契約を惜しくも改め、「レーザー・レーサー」の着用にゴーサイン、2008年、日本のスイムウェア各メーカーは苦杯を呈した。
しかし時代は変わった。北京五輪後、日本の各メーカーは「レーザー・レーサー」への追撃を加速、各社共に選手の要求に応じ、ウェアの材質・形状を不断に改良、改善に徹した結果、その劣勢を急速に回復し、今や「革命的スイムウェア」の実力を備えている。
浜松市でこのほど開催された日本水泳選手権では、計20種目で日本記録が誕生、競争が熾烈だった2008年の同選手権兼北京五輪代表選考会での数字を大幅に上回った。驚くべきことは、20の新記録のうち、16種目で選手が日本3大メーカーのスイムウェアを着用、「レーザー・レーサー」を着用していたのはわずか4人だった。この結果は北京五輪で「レーザー・レーサー」が果たした神話を大きく覆し、ある日本メディアは「屈辱を果たした」との表現で日本メーカーの勝利を称えた。
新記録の相次ぐ誕生について、日本水泳連盟のある担当者は、スイムウェアに決定的要因があると認識している。「カエル王」こと北島康介を指導する平井伯昌コーチは、日本のメーカー各社は各種目に応じたスイムウェアの研究開発を行っており、その効果が充分に発揮されていると分析する。
「ウェアの性能は充分信頼できます。体に対する負担は軽く、泳いでみると非常にスムーズです」。男子200メートル平泳ぎの末永雄太は試合後に自身の感想を語った。末永は今回、デサント社のスイムウェアを着用、日本選手権で今季世界第3位の好成績を記録した。
国際水泳連盟(FINA)は今年2月、スイムウェアに関する新規定を発表、現在日本の各メーカーはFINAの認可待ちだ。今回の日本選手権で日本人選手が着用したウェアの世界選手権での着用が認められないのではとの心配の声もあるが、各メーカーは自信を深めており、自社開発のスイムウェアは「規定に完全に合っており、なんら問題はない」としている。(編集HT)
「人民網日本語版」2009年4月24日