「全国第3回文化財センサス調査」の調査作業が大詰めを迎えている。10月31日の時点で、登録済みの移動禁止文化財(移動を禁止している文化財)は計77万6215件。このうち、新しく発見されたものは55万283件(70.9%)、再調査されたものは22万5986件(29.1%)。このほか、3万955件の文化財が消失していることが判明した。
約3万件の移動禁止文化財が消失した理由は?国家文物(文化財)局文化財保護考古司の関強・司長は、「消失した文化財の大部分は、まだ等級付けが行われていない移動禁止文化財で、各級の文化財保護部門がランク付けを済ませているものは比較的少数だった。また、大規模なインフラ建設や都市・農村建設が、文化財消失の主要因となったケースもある」と指摘している。
国内経済の急成長に伴い、一部の大型水利建設工事、大規模なエネルギー長距離輸送工事、高速鉄道網建設、高速道路網建設などインフラ建設プロジェクトが続々とスタートし、大規模な都市・農村建設プロジェクトも増え続けている。各級の政府と文化財部門は、プロジェクト建設場所と移動無形文化財の所在場所とのバッティングを回避するよう尽力しているが、これが文化財消失の一因となることはどうしても避けられない。各級の政府もこれに対し、考古発掘などの緊急措置を講じ、文化財の緊急救出や関連資料の保存に努めている。
関司長によると、重大な自然災害や地震・水害などの各種地質災害のほか、人為的な破壊も、移動禁止文化財の消失原因の一つという。各種の行政違法行為や盗難・盗掘などの刑事犯罪、生産生活活動による文化財破壊などによっても、文化財消失がもたらされている。
一部の技術的な問題も、「文化財」減少の一因となっている。関司長は、「1982年の全国第2回文化財センサス調査において、技術手法、調査作業を取り巻く環境、経費投入額などが限られていたことから、調査登録作業が不正確で全面的ではなかった。このため、今回行われた第3回センサス調査の調査担当者が探し出せなかった文化財も一部ある」と説明している。これを省みて、今回の文化財センサス調査では、調査登録の対象となる移動禁止文化財の認定・測定基準に対する規範化と統一化が徹底された。(編集KM)
「人民網日本語版」2009年12月3日